医療従事者に無料ワクチン提供 トイチェ紙の企画に世界的酒造メーカー賛同、30億ドン寄付

英国に本拠地を置く世界的な酒造会社、ディアジオのベトナム法人、ディアジオ・ベトナムはこのほど、ベトナム国営紙トイチェが展開する医療従事者支援キャンペーンに対して、約30億ドンの寄付を行った。ディアジオ社のジョス・デューセマCOO(最高執行責任者)が式典出席後に発表した。

今回、ディアジオ・ベトナムが賛同したのは、トイチェ紙の新キャンペーン「トイチェとともに―新型コロナ(COVID19)ワクチン募金」。

トイチェ紙は昨年1年間、「トイチェとともに新型コロナ予防」と題したキャンペーンを展開していた。その成功を受けて今年2月末に、医療機関や病院、ベトナム国内の集中隔離施設など第一線で働く数十万人のエッセンシャル・ワーカーを対象に、無料でワクチン接種を提供できるよう、ワクチン募金を始動させた。

個人や組織、企業などから援助資金を募っていたなか、「大変意義深く、実践的な活動だ」と評価したディアジオ・ベトナムが、民間企業の先陣を切って協力を表明したという。ディアジオは募金を通じて、ベトナムの人々とともに新型コロナと戦う決意と、コロナ後の新生活でも地元コミュニティの安全を実現していくという約束を果たす企業姿勢を鮮明にした。

2020年一年間を通じて、新型コロナを抑制し、社会経済的に対する感染拡大の悪影響を緩和した成功例として、ベトナムは国際社会の注目を集めた。厳しい隔離政策と、感染者と接触した人々の徹底した追跡、医学的な感染予防と治療方法の充実、さらには政府と国民の感染予防に対する民意の一致などが力となり、ベトナムの奇跡の実現の後ろ盾となった。

また、新型コロナの感染拡大や集団発生を防ぎ、ベトナムの地域コミュニティを保護するという目的のもとで、広範な社会的資源を動員し、個人と組織を結び付けることができた点が、成功の最大の要因となった。ディアジオ・ベトナムのような企業にも、社会の一員として貢献する役割を担うよう、積極的に促してきた。

ディアジオ・ベトナム社のジョス・デューセマCOOは、「ベトナムで経済活動を展開する英国企業として、できる限りの手段で、地域コミュニティが健康を守り、持続可能な発展をできるよう支援できることを誇りに思っている」と語った。今後も機会があれば、新型コロナウイルスのより効果的な感染予防や治療につながる道を守り育てる考えで、「それによってベトナムの人々が、健康に暮らし、成功を納める自由を確立できるようにしたい」などと述べた。

ディアジオは自社の企業精神にのっとり、世界規模で事業運営と社会活動を並行して実施している。 昨年6月には、ベトナム祖国戦線中央委員会と提携し、ベトナム保健省に対して、手指消毒剤1万8600本(金額にして約6億7000万ドン)を贈呈した。また同社の酒類を購入する顧客である315のバーやクラブを対象にした「ディアジオ式・清潔なおもてなしキャンペーン」を展開し、各店舗に消毒用キットを提供し、感染予防対策のガイドラインを伝授した。キャンペーンの一環として、ライブ配信なども行っており、2000人を超える参加者に、顧客に酒類やサービスを提供する際のさまざまな衛生手法と安全に関して、ヒントやアドバイスなどを提案している。