グルタチオン製品国産化へ 抗酸化、アンチエイジングで注目

ベトナムの商工省はこのほど、3つのアミノ酸から成るトリペプチドの一つで、抗酸化作用やアンチエイジングなどで注目される酵母ベースのグルタチオンを豊富に含むサプリメントや土壌用の微生物資材の試作プロジェクトを認可した。

写真㊤=グルタチオンの錠剤「トラリーグルホワイト」

プロジェクトを担当するカオ・アン・タイ・ディレクターによると、医薬品や食品加工用の添加物として用途の幅広いグルタチオンを開発しようと、多くの国がしのぎを削っている。化学薬品メーカーやバイオテクノロジー関連企業の研究者は、生産技術の確立や品質の向上、コスト削減を模索している。

「ただし、ベトナムにはグルタチオンを製造するメーカーがなく、輸入に頼っている状態。国産化に向けた今回のプロジェクトに期待が集まっている」とタイ・ディレクターは話す。

プロジェクトでは、汎用性の高い酵母を育て、グルタチオン生成に適した数値などを研究。すでに30%のグルタチオンを含む350㌔の土壌用の微生物資材、15%含む170㌔の土壌用の微生物資材、バイオマス、カプセル錠剤「トラリーグルホワイト」100万錠などを完成させた。錠剤については、複数の医薬品会社が、契約に積極的な姿勢を見せているという。プロジェクトから生み出された商品は徐々に市場に流通しつつある。


グルタチオンの生成プラント

タイ・ディレクターは「厳格なルールのもと完成した国産の試作品は、高品質で安定しており、輸入品に比べて格段に安価だ」と胸を張る。今回のプロジェクトは、食品加工業界の発展や地域資源の利用拡大、雇用創出にもつながると期待されている。