スマートログが変える物流 デジタル化、効率化進む

サプライチェーンのデジタル化と最適化のソリューションを提供する物流テック企業、スマートログは、2015年に創立以来、業界のパイニアとして業績を伸ばしてきた。物流に対する熱い情熱によって、同社はベトナム国内の物の流れを変えつつある。

写真㊤=スマートログは、IT化によって時間とコストの節約など物流の最適化を図っている

ベトナムには多くの物流会社がある。それらの多くは、規模が小さく資金的、人材的に脆弱で、国際的な市場での経験に乏しい。物流会社と貿易会社との連係はほとんどない。


ド・ユィ・ビン・ジェネラルディテクター

こうしたなか、同社は、顧客の企業が自社の資源を最大限に活用することで競争力を高めるエコシステム(ビジネス生態系とも呼ばれる企業連係)とプラットフォームの開発に力を入れてきた。ド・ユィ・ビン・ジェネラルディテクターは「われわれは、物流における時間とコストの節約と最小化、デジタル化、IT化を手助けしている」と話す。

現在、輸送管理システムの管理下に1万台のコンテナトラックと80万平方㍍の倉庫を保有。パートナーは物流のVinafco、 DHLサプライチェーン、 ジェマディプトのほか自動車メーカーのチュオンハイ自動車(Thaco)、ビール会社のサベコ、乳製品のビナミルクなど100社以上に上る。

昨年1月には、世界有数の船会社、CMA CGMと、国内初となる「コンテナ活用効率最大化ソリューション」(COS)の運用に関して契約を結んだ。COSは、現在の空きコンテナ不足に対する有効な解決策となりつつある。非効率的で複雑、手作業的な物流は、デジタル化とソフトウェア導入によって変化しつつある。スマートログのこうした取り組みは業界でも高く評価されており、優れたIT技術などに贈られるベトナムソフトウェア協会(VINASA)主催のSao Khue賞(サオクエ賞) を受賞した。

物流の改革は、業界のみならず国内の製造業や商業の競争力にもつながる。国際的な競争を生き抜くためには関係者が互いに協力しなくてはならない。物流コストの最小化やベトナム産品の競争力アップのためにも、注文や検索などの顧客情報を共有できる大規模な国内ネットワークを形成することが重要とされている。

商工省や商工新聞、科学技術省の技術開発事業化促進庁などはこのほど、物流会社の発展をテーマにしたセミナーを開催した。参加したスマートログのビン・ジェネラルディテクターは、「国内とASEAN(東南アジア諸国連合)をカバーする物流のエコシステムを構築するため、さらにITの導入を押し進めたい」と強調した。