詐欺や偽物から消費者を守れ コロナ禍で急増のネット通販

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、オンラインショッピングの利用が急増するなか、詐欺被害やトラブルが増加している。違反行為の厳罰化など法改正を求める声が上がっている。

「オンラインショッピングの普及で買い物が便利になった一方、さまざまな問題点が浮上している。政府は法律や制度の整備を続けてきたが、法の抜け穴があるかぎり偽ブランド品やコピー商品を含む詐欺、不正は続く」。こう警鐘を鳴らすのはベトナム消費者保護協会のグエン・マン・フン会長。「偽物の製造や販売を防ぐには、経済・業務捜査警察や市場管理当局に頼るだけではだめだ。地域行政当局の役割と責任が増している」と指摘する。

商工省は、消費者保護法の違反行為の取り締まりに懸命に取り組んできた。商工省とベトナム競争・消費者庁 (VCCA)によると、消費者保護法や制度整備によって、苦情対策は改善している。 商工省傘下のベトナム電子商取引・デジタル経済庁(IDEA)は、小売店に対し、政府のウエブサイトにおいて認証を得ることを推奨。VCCAも消費者に警告を出すため、常にオンラインショッピングを見張っている。

商工省も、詐欺の摘発に向け、検査官など関連組織と協力。 傘下の市場管理局は、地域の省や市の市場管理当局に対し、特に電子商取引と新型コロナウイルス予防に関する医療関係の商品の取引について、市場調査や監督を強化するよう指示している。 また、無料の相談窓口も開設している。

VCCAは「政府と国会の執行委員会は、消費者保護に向けた法改正に同意している」としている。改正に向けて各地域の省や企業、消費者、その他の団体からの意見が反映されるとみられる。

フン会長は、「消費者保護を進めるためには、法改正だけでなく、消費者の役割も大切だ。何か商品を買おうとするときは、他の購入者のレビューやコメントを読んで慎重に選び、 だまされないよう、あとから注文を追跡することができるような評判の良いサイトやプラットフォームを使うべきだ」と注意を促している。

同協会は、「消費者が自分自身を守るためには、権利や利益を侵害されたとき、はすぐに売り手にフィードバックを送ること。それでも、問題が解決しない場合や納得できない場合は、しかるべき当局にできるだけ早く連絡すること」と呼びかけている。また、偽物による被害を予防し、撲滅するためには、管理当局は、より強力な手段を持たなくてはならない、としている。

2017年の法改正で、偽物の製造、販売は最高で懲役15年に厳罰化された。3000万~1億5000万ドン(約14万5000円から72万円)の商品を偽造した場合、1~10億ドン(約48 万~480万円)の罰金あるいは、1~5年の懲役が科される。