「新農村地区」の新規開設 目標達成に尽力、ハノイ市

ベトナムの首都ハノイ市は、郊外地域にさまざまな改善を導入する「新農村地区」の開拓計画を進め、傘下の17の農村地区の農業発展や人々の生活基準の向上に尽力している。新型コロナウイルスの感染拡大によって、その進展は予定より遅れたが、農村部のさまざまなインフラ整備の実施とともに、住民の健康管理などの行政福祉面も充実されたほか、新型コロナの影響による収入減に直面した人々が、必要な支援を市から迅速に受けられるようになっているという。

◇12の新農村地区で基準達成
政府は2010年に、「新農村地区」の設置に関する目標を設定した。インフラ整備の進展▽農業生産性の向上▽環境保護の実施▽地域の文化的価値の保存継承-などがその認定基準となっている。

ハノイは都市中心部の12の区(郡とも呼ばれる、Quận)のほか、ソンタイ市社(thị xã)と県(Huyện)と呼ばれる17の農村地区で構成される。ハノイ市農業農村開発局は、17県のうち、ダンフォン、ドンアイン、タインチ、ホアイドゥック、クオックオアイ、ザーラム、タックタット、チュオンティン、タインオアイ、フックトー、ソクソンの11県とソンタイ市社の12地区を、「新農村地域」と認定している。

それ以外の農村地区などは今年の年末か、遅くとも2022年度じゅうには、必要な基準を満たし、新農村地域に認定されることを目指している。農村地区はさらに小さい「社」と呼ばれる382の行政区に分けられるが、このうち368カ所が新農村地区に含まれる計算になる。

順調に進んでいるかのように見える農村部の近代化だが、「今年の第3四半期に感染が拡大した新型コロナによって、ハノイ市が進めてきた新農村地区の開発計画が多くの困難に直面している」とハノイ市農業農村開発局のチュー・フー・ミー局長は説明する。地方行政当局が、感染の制御と予防対策に集中せざるを得なかったからだ。

◇市当局の計画目標達成へ
ハノイ市党委員会が掲げた「新農村地区進展計画」を評価し、農村部の経済発展を進めるために、先日、ハノイの各地域当局が参加する会議が開かれ、その場で多くの自治体が資金投入を請求した。

チュオンミー人民委員会のグエン・ディン・ホア委員長は、「各地域が意欲を高める動機付けになる」として、ハノイ市に対して先進的な農村部モデル地区を形成するための新たな支援策の導入を提案した。

これに対し、ハノイ市人民委員会のグエン・マイン・クイエン副委員長は、「ハノイ市は農業農村開発局に対して、現在の基準の見直しを調整し、目標達成に向けて各地域に必要な資金を割り当てるよう指示している」と説明した。

さらに、クイエン副委員長は計画を推進する実行委員会に対しても、教育施設、文化施設、清潔な飲料水の確保などの基準について見直しを求め、各地区に詳細な状況報告を求めた。

ハノイ市党委員会のグエン・ティ・トゥエン副委員長は、チュオンミー、フースエン、ウンホア、メリンの4つの地区ついて、「2021年末までには、新農村地域になるための最低基準に到達しなければならない」と改善の必要性を強調した。また、ハノイ市が、先進的な農村部や、モデル地区などの確立を含めて、ハノイ市郊外の農村部へのさらなる支援実施に同意した。