国際基準の会計士育成を ウェビナーで呼びかけ

英国勅許公認会計士(ACCA)とベトナム公認会計士協会は(VACPA)は、このほど、財務省(MOF)や 教育訓練省(MOET)、世界銀行、アジア・太平洋会計士連盟(CAPA)などと協力して「ベトナムの大学における公認会計士育成に向けた機会創出と解決策」と題したウェビナー(ウェブカンファレンス)を開催した。

監査機関や会計事務所などで働く約150人が講師として参加した。国の政策や大学の実態を踏まえて、大学での公認会計士育成などに焦点を当てて議論した。

ベトナムでは現在、経済の国際化が急速に進んでいる。国際化にともない、様々な約束ごとの順守や、国際基準の金融情報の提供などが求められている。

MOFは、国際公会計基準(IPSAS)に向けた2023年までのロードマップを2019年6月に、さらにベトナムの5つの公共部門における会計基準決定を今年9月に発表した。MOF会計監査監督局のディレクター、ブ・ダック・チン博士は「こうした動きは、国際的な経済統合に利益をもたらし、投資家からの信用向上につながると期待されている」と強調した。

こうした動きに連動して、大学側も早急に新たな公認会計士の育成方策や戦略を示すことが求められている。公認会計士育成の現状などについては、金融アカデミー(Academy of Finance )とホーチミン経済大学(University of Economics in Ho Chi Minh City)のモデルによって説明された。

教育訓練省高等教育局副局長のファン・ヌー・ギエ博士は、「会計士養成ニーズや必要性、公会計の分離統合の現状、ITの活用…。これらは、将来の人材確保において、重大な問題だ」と訴えた。

WB やCAPA、ACCAからの参加者も、大学における公認会計士育成について提案。WBは、IPSASを教育カリキュラムに落としこむために開発されたツールキット「PULSAR」を紹介した。WBのボニー・アン・シオリス・シニアファイナンシャルマネージメントスペシャリストは「われわれのツールの目的の一つは、経済の急速な進展にともなって必要となってくる、より高度な会計を作ろうとしている国々を支援することだ。会計士の教育や養成を、知識ベースから能力ベースのアプローチへと変える助けとなるだろう」と強調した。

今回のウェビナーは、会計士養成プログラムの質的改善と実践的アプローチを国内大学にもたらすことを支援するために、VACPAとACCAが共催したフォーラムの一環として開かれた。