76%のベトナム人が国内旅行を計画、ステイケーションの傾向も=ビザ調査

米クレジットカード会社のビザは、ベトナムの消費者の間で、旅行願望が蓄積していると報告した。「Visa Voice of the Consumer」の調査によると、ベトナム人の76%が「国内旅行を計画している」と回答し、「海外旅行を計画している」と答えた38%をはるかに超えた。パンデミックの影響を強く受けていることがうかがえる。

仕事における出張に関しても、60%は国内出張、37%は海外出張と答え、その差は歴然と表れた。新型コロナウイルスの感染拡大は、旅行のあらゆる面に多大な影響を与えており、目的地から交通手段まで、すべての検討事項において健康と安全性が重要視されている。

安心して旅行ができる要因の上位3位は、「疾病の発生」に関することであり、旅行計画はパンデミックの動向に大きく左右されることが分かる。具体的には、「目的地の感染状況が安定している」が63%で1位、「ワクチンを接種済みである」が48%で2位、「世界の発生例の減少」が40%で3位だった。

ビザベトナム・ラオス担当のカントリーマネージャー、ダン・トゥエット・ズン氏は、「多くのベトナムの旅行者にとって、国内旅行がより適しており、週末の小旅行や短期休暇が強く望まれている」と指摘し、「約2倍のベトナム人旅行者が、国内旅行を選び、彼らの新しい優先事項に適した場所を選択している。企業は、決済方法を含めた旅行者のオファーについて安全性と快適性を確保することで、これらのトレンドを掴むことができる。パンデミックによって、消費者の間で、デジタル決済や非接触型決済の導入に拍車がかかり、今は基本的に求められる手段になっている」と述べた。

入国管理や産業界が元通りになる可能性の一方で、ベトナム人の回答者の間で「トラベルバブル」への関心は低く、半数以上(52%)が「バブルの範囲内での旅行に関心はあるが、当面(実施すること)はない」と回答。一方で、自身の住む地域を再発見し、近場の街で休暇を過ごす「ステイケーション」の傾向が高まっており、回答者の約3分の1は、政府の規制がなくなれば、できるだけ早くステイケーションを計画、予約、実行すると答えている。また、3割の人が、地元の観光地を訪ねると回答している。

パンデミック以降、ベトナム人旅行者は、計画のキャンセルを余儀なくされ、自身の旅行熱を満たす別の手段を探さなければならなくなった。それに伴って、オンライン旅行が急増し、旅行関連の写真や動画を見る人が増え、彼らの「バケットリスト(死ぬまでにしたいことをリスト化したもの)」が埋まっていった。実際の旅行の代替案として、回答者の半数以上(53%)は、YouTubeの旅行動画を視聴し、40%はソーシャルメディア上の旅行サイトを楽しみ、38%の人々はオンラインでのバーチャルツアーに参加した。

「新型コロナは新しく刺激的なトレンドを生み出したが、それは旅行業界で最大の変化をもたらした」とズン氏は言う。「こうした変化は、旅行業界で重要なテーマであり続けるだろう。成功も失敗も、パンデミックに関連した旅行者のニーズとウォンツに、企業がどれだけ対応できるかにかかっている。この調査結果が、ニューノーマルで成功するために必要な知見を提供できればと期待する。当社は、企業と顧客が安全で便利で、迅速な決済を可能にするために存在している」と結んだ。