ロステックの無人搬送車が優勝 クアルコム・ベトナム・イノベーション2021

IT技術や発明を競うクアルコム・ベトナム・イノベーション2021(QVIC 2021)で、無人搬送車(Automatic Guided Vehicle:略称AGV)の製造と管理システムを提供するハノイ市のスタートアップ、ロステック(Rostek)が優勝した。

QVICは、米半導体大手、クアルコムが、ベトナムの科学技術の発展やスタートアップを含めた中小企業の製品開発を支援するため、2019年から毎年開催している。優勝者には、賞金10万ドル(約1100万円)が贈られるのに加えて、クアルコムのリソースや技術サポートを受けることができるようになる。

ロステックは、2020年に起業。工場や倉庫内を自律走行するAGVの製造など倉庫や工場内のハイテクソリューション事業を展開、高い評価を受けている。同社のAGVは当初、構造もシンプルであらかじめ床に引かれた線沿いにしか走行しなかったが、現在は障害物を自動的に回避することができるようになった。

クアルコム・テクノロジー・ライセンシング(QTL)のアレックス・ロジャー社長は、 「QVIC は、イノベーション創出の支援と、国内のスタートアップの優秀さを示すために創設された。プログラムに参加したチームはクアルコムの国際的ネットワークチームの一員となり、見本市にも参加できるようになる。顧客やパートナー獲得、市場開拓のうえで大きなチャンスになるだろう」と話した。プログラムを支援する科学技術省のチャン・バン・チュン副大臣は「5GやAI(人工知能)時代を迎えるなか、 QVIC 2021 は、スタートアップが国際的企業になるための一助となるだろう」と期待を寄せた。