天然資源・環境省は、法的・技術的な問題が見つかったとして、洋上風力発電事業に関する測量の評価・承認の一時停止を提案した。

写真㊤=洋上風力発電事業は、投資家から大きな関心を集めていた

8月末時点で、同省は洋上風力発電の測量に関し、55件の提案を受けた。その中で承認されたのは、ベンチェ洋上風力発電所のフィジビリティ調査報告書の準備として、国内投資家がLiDAR拠点を設置するための風力測定の案件のみだった。

同省に提出された提案では、総発電容量は100GW、海域面積は約3万平方キロメートルと見積もられていた。また、沿岸部の地方当局に提出された約40件の測量案件は、すべて国内投資家によるものだった。

商工省傘下のエネルギー研究所の統計によると、クアンニン省からクアンチ省に至る北部地域では、総発電容量が5万1650MWとなる22件の新規事業が、国家計画に追加されるよう提案された。中部・南部地域では、新たに74件、総発電容量が10万4627 MWの洋上風力発電事業が提案された。

天然資源・環境省は、「洋上風力発電の開発は、持続可能な海洋経済発展と2050年までにネットゼロエミッションを達成するというCOP26のコミットメントにふさわしいものだ」と説明する。

だが一方で、「団体・個人が、風力測定や海の地質・地形調査を行うことを認めるかどうかについては、意見が分かれた」とも述べ、風力測定やモニタリング、地質・地形調査に関する決議がなされるまで、測量を一時的に停止することを提案した。

また、「洋上風力発電開発に関する法的手続きが、複雑なままである」とも指摘。それぞれの地域は風速や地形などが異なるため、1MWの発電容量ごとに地域をモニタリングする技術指示も不足していたという。加えて、ベトナムでは、風力発電を開発できる海域に関する計画もなかった。

2045年を視野に入れた、2021~30年の国の電力開発計画では、2022年に約4,000MWだった風力発電容量を、2030年までに陸上・近海で約1万6121MW、洋上では7000MWにまで増やすことを目標としている。