ガソリンスタンド休業続出 商工省が市場調査班発足

石油製品の供給不足を受け、南部を中心に多数のガソリンスタンドが営業を一時停止し、市民生活に影響が出ている。グエン・ホン・ジエン商工相はこのほど、石油取引の調査や違反行為の摘発強化方針を決定。商工省は、市場調査班(マーケット・サーベイランス・フォース)に、営業を停止しているガソリンスタンドの調査や厳格な取り締まりを命じた。

写真㊤=キエンザン省のガソリンスタンで検査を行う市場調査班の係員

認可事業であるガソリンスタンドは、地域の石油関連製品供給を維持しなくてはならないことが文書で定められている。同省は市場調査班に、調査方針や検査などの全権を与えるとともに、ルール違反があった場合、官民を問わず厳しく臨むよう求めた。これを受けて市場調査班は、営業を一時停止しているガソリンスタンドについて調査を進め、違反行為があった場合、適切な措置を講じる。

ジエン商工相は、このほど開かれた国会の質疑で、欧州の石油購入量が増加しているため、国内で供給量の増加はわずかにとどまると答弁。強い通貨を有する国々によるガソリンの購入によって、国内の輸入業者は買い付けが困難になっていると説明した。

ベトナムには現在、輸入・国産を含む36のガソリン供給業者、500の卸・販売業者、17000のガソリンスタンドがある。しかし、供給不足にともなってハノイやホーチミン市、メコンデルタ地域では、ガソリンスタンドの営業を一時的に休止する店が続出。多くの住民がガソリンを買えない状態になっている。

ベトナム国内の石油製品の供給率は80%で、原油の半分以上、合成ゴムなどの最終製品の20%を海外からの輸入に頼っている。政府は、年間生産計画の20%増の生産ができるよう省庁間で調整している。現時点では、供給業者を増やすことにつながる免許の自由化は考えていないとしているが、生産や輸入から末端の消費者に届くまでの流通経路の簡素化や販売業者の再編が課題となっている。