ドンラム名物のキャッサバケーキ 一度食べたらやみつきに

ハノイの西44㌔に位置するドンラム古代村は、歴史的建造物や古い街並みが残る人気の高い観光スポットだ。そして、村を訪れたらぜひ味わいたいのが、キャッサバケーキ。「一度食べたらやみつきになる」と評判の一品だ。

写真㊤=ドンラム村の名物、キャッサバケーキ。半透明の生地の中にタマネギや豚肉が入っている

キャッサバケーキは、キャッサバからとったでんぷん(タピオカ)に豚の肩肉などの具を加え、バナナの皮にくるんでから蒸して作るお菓子。新鮮なキャッサバを洗ったあと、一晩水につけてからすりつぶし、それを再び水に浸してでんぷんを取り出す。それから豚の肩肉、キノコ、キクラゲをみじん切りにし、タマネギとともに豚の脂で揚げ、生地に練りこむ。


バナナの皮でくるんで、あとは蒸すだけの状態

「もともとは、食べ物がないときの飢えをしのぐ料理だってけれど、生地にタマネギや豚肉の脂を練りこむようになり、今の形になったの。お菓子屋のなかった時代、これさえ作ったら子供たちは大喜びしたものよ」。村の女性、チュオン・チ・ホアさんは、キャッサバケーキの由来を説明する。

今では村のどの家でも調理されるといい、観光客に販売する家も10軒以上ある。ホアンさんも販売を始めてもう長い。「1つ3000ドン(約18円)。1日100個くらいは売れるわね。来る前に、あらかじめ電話で冷凍の生のケーキを箱で注文するホーチミンのお客さんもいるわよ。買って帰って、食べたいときに家で蒸して、食べているそうよ」


街角でキャッサバケーキを売る女性。できたてが食べられる

同村は2006年、国家文化歴史地区に認定された観光地。都心からも比較的近く、ハノイから日帰りの行楽を楽しむ人も多い。村には、キャッサバケーキのほかにも、チェホー(豆のプディング)やチェラム(ショウガとピーナッツの入った棒状のもち)といった名物多く、訪れた際にはB級グルメの食べ歩きするのも楽しそうだ。