ベトナム放射線・原子力安全規制庁(VARANS)はこのほど、アメリカの原子力コンサルティング企業、ライトブリッジ社(Lightbridge)と、原子力エネルギーの平和的活用分野での覚書に調印した。米国企業がベトナムでの原子力関連事業に進出したのは、今回が初めて。

ライトブリッジ社のセス・グレー最高経営責任者(CEO)は、「米国とベトナムは『平和目的の原子力エネルギー利用に関する協力協定(123協定)』を通じて、民間の原子力活用分野で重要な相互関係を築いた。われわれは、ベトナムが経済成長を実現するのに必要なエネルギー資源を開発し、将来のエネルギーの安全保障を確保する手助けができると思う」と話した。

科学技術省核放射能安全局のヴォン・フゥ・タン局長によると、ベトナムと民間の原子力関連協定を調印したのは、米国が8カ国目となる。すでにロシア、中国、韓国、日本、フランス、インド、アルゼンチンと同様の協定を結んでいる。タン局長は、「米国および米国企業との協力は、近代的な技術開発につながるだけでなく、原子力発電の発展のために必要な法的根拠を築く意味でも、ベトナムにとってよい機会となる」としている。

覚書によると、ライトブリッジ社は、放射能の安全技術とともに、原子力利用に必要な法的枠組みの整備の面でも、放射線・原子力安全規制庁を支援する。また、ベトナムで進められている2基の原子力発電所建設のサポートや、原子力関連の品質管理システムの確立の支援なども盛り込まれた。