高原に広がる「タム・ジャック・マック」の花のじゅうたん 観光客の人気集める

涼しくなった東北部ハザン省メオバック(MèoVạc)のドンバン高原(Đồng Văn=ハノイの北部約500キロメートルの山地)では、ベトナム語で「タム・ジャック・マック」とよばれるソバの一種が満開だ。

この花は、メオバック県の人民委員会が6つの地区で植えたもの。花畑は約10ヘクタールに広がっており、植えてから約1カ月で花を咲かせる。山道や渓谷を美しく覆う薄いピンクや白の花のグラデーションは、寒い季節を暖かく感じさせてくれる。山一帯に花が咲き、花に囲まれた素晴らしい風景が楽しめるとあって観光客の人気が年々高まっており、この時期、近隣の宿泊施設はどこも満室状態だという。

 

この美しさを求め、写真撮影などのために多くの観光客が訪れるようになったが、遠方から来る観光客は一泊しなければならない。観光人気が高まるのに伴い、一帯では宿泊施設や店舗、飲食店などのサービス業が発展してきた。


花に囲まれて写真を撮影する観光客ら=メオバック、パー・ヴィ地区

2014年の1-9月には、約17861人の観光客が訪れた。観光関連の総売上高は9月までで146億7000万ドンにのぼり、うち観光事業が50億ドン、レストランなどの飲食関連で90億9000万ドン、その他のサービスが5億8000万ドンだった。
現在はホテルが1軒、山荘が9軒、その他の宿泊先施設が2軒あり、客室は計144室に過ぎない。あまり観光開発はされていないが、サービスはよいと、多くの観光客に高い評価を得ている。

しかし、最近では観光客の急増によって、客室数が不足する事態になってしまい、旅行客らは事前に旅行会社などを通して予約しないと部屋が取れないという。都市部から行くには遠くて時間のかかるドンバン高原だが、観光客がわざわざ足を運びたくなるほど、花の美しさと高原の壮大な風景は魅力的なのだ。