活気あふれるフォン寺の巡礼 夜中の参拝で祭り開幕

旧正月(テト)が終わると、ベトナム人は1年の平安と幸せを祈るため、さまざまな寺院に参拝する。なかでも有名なのがハノイ郊外ミードゥックにあるフォン寺への参拝だ。2月2日(旧暦1月6日)の夜中に川をボートで渡って山頂の寺に参拝するなど、同寺では旧暦3月末まで儀式が続く。

2日の朝、フォン寺のティック・ミン・ヒエン修道院長が太鼓を叩き、2017年フォン寺の祭りが正式に開幕した。3月末までの期間中、フォン寺やティン・チウ寺、フォン・ティック洞窟など一帯で、さまざまな仏教儀式が執り行われる。

実際の祭りは、この太鼓の合図より早く始まる。祭り初日に参拝者らは、まだ真っ暗な午前2時~3時ごろからスオイ・イエン川の対岸へと手こぎボートで渡り、山道を登るのだ。

船が出発するスオイ・イエン川の川べりでは夜通し出店などがにぎわっている。

フォン寺の祭り実行委員会によると、ボートはすべて青い色で塗装されたという。

対岸に渡ると、人々はフォン・ティック洞窟を目指して歩く。2日の朝4時半のフォン・ティック洞窟は、早朝にもかかわらずこの人出となった。

この洞窟では、上から水がしたたりおちている場所がある。ここでそのしずくを手に受けると、1年間の幸せを授かることができると考えられている。そこで、みんな順番に並んで水を手で受けるのだ。

山頂にあるフォン寺へ登るには、ケーブルカーもある。だが、多くの参拝者は徒歩で石段を登る。

急な参道脇にはさまざまなで店が並び、それをのぞくのも楽しみのひとつだ。

フォン寺のグエン・チ・タン遺跡管理長によると、旧正月が明けてからの4日間ほどで1万人以上がフォン寺に参拝に訪れたという。フォン寺の祭りは、旧暦3月末までで、さまざまな儀式が続けられる。