ベトナムでも“おもてなし” 観光分野で日本流の対応を

ホーチミン市はこのほど、日本の経営コンサルティング会社、フォーバル傘下の現地法人、フォーバルベトナムと協同で、「おもてなしOmotenashi-接待サービス精神」と題したセミナーを開催した。観光業発展のために、日本流のサービスを学び、おもてなしのできる人材の育成を図るのがねらいという。

「おもてなし」とは心のこもった接遇のことで、顧客などを歓待し、心をこめて接待やサービスをすることをいう日本語だ。今回のセミナーは、ベトナムの観光業界の人材教育にこの「おもてなしの精神」を応用しようと企画された。おもてなしの心で歓待すれば、観光客は、行った場所や会った人が忘れがたいため、ベトナムも、もういちど訪れたいと思ってもらえる、というわけだ。

人材派遣業などを展開する日本企業、キャプランの人材育成部門、J-プレゼンスアカデミー担当者はセミナーで「ベトナムが海外からの観光客を増やすためには、ホテルや輸送などの質を上げるほか、サービスの質の向上が大切だ」と話した。

また、別のパネリストは、「顧客は心のこもった接遇を求めている。」と説明。旅行会社やホテル、レストランなどから集まった観光業界の関係者らに「この待遇について勉強し、それぞれのサービスを高めるため、実行に移してほしい」と話した。

ホーチミン市のタ・ホアン・ヴ観光局長によると、日本は、観光事業の経験やノウハウの蓄積があり、おもてなしの精神で観光業を発展させてきた実績ももつ。日本を訪問した世界各地からの観光客が日本の良いイメージを持ち続けていることから、「ホーチミン市もこの精神を見習うべきだ」とした。

統計によると、2017年1~6月の海外からの観光客は280万人にのぼり、前年同期比14%増となった。旅行関連の売上高は、53兆5170億ドンで、前年の同期比12%増加している。ベトナムの旅行業界は今後も迎え入れる観光客を増やしたい考えで、日本の「おもてなし」の精神を応用し、海外の観光客にベトナムを来訪するリピーターの獲得につなげたいという。