日越間の渡航者1-2割増 観光や交流促進に期待

ベトナム政府観光総局によると、日本とベトナム間の訪問者数がともに増加している。2016年、日本からベトナムには前年比10.3%増の約74万人が、ベトナムから日本には同26%増の約23万4000人が訪れた。

日本政府観光局(JNTO)の統計によると、訪日したベトナム人1人当たりの平均消費額は、1回の旅行につき23万7000円。3月に開設されたJNTOハノイ事務所は、日本を訪れるベトナム人観光客の増加に大きく貢献している。

ベトナム政府観光総局とJNTOハノイ事務所はこのほど両国の観光振興に向けたセミナーを開催。セミナーに参加した神奈川県の黒岩祐治知事は、「神奈川県は東京のすぐ南に位置する県で、愛をこめてベトナム人を迎え入れたい」と述べた。

神奈川県には、箱根と鎌倉の2大観光地がある。富士山に臨む芦ノ湖や温泉などで知られる箱根は、東京近辺に癒しを求めてやってくる観光客に最も人気のあるスポットの一つだ。一方、鎌倉には有名な寺社や風光明媚な海岸が広がり、牛肉などグルメも充実している。

投資や貿易、文化など、ベトナムと神奈川県の交流は年々盛んになっている。特に毎年、同県で開催されている「ベトナムフェスタ in 神奈川」は、ベトナム観光振興に大きく寄与している。黒岩知事は「これからも観光協力や文化交流を深めていきたい」と意欲を見せた。

ベトナム政府観光総局のハ・バン・シウ副局長は「観光客の行き来を増やすことについては、国や地方自治体だけでなく、企業や団体も積極的だ」と話す。ベトナムでは今年、日本を含めた重要なマーケットの国々からの観光客が好調な伸びを示し、1年間で1150万人の外国人観光客の誘致をめざしている。今後、目標達成に向けて数々の観光プロモーションが強化される見通しだ。

シウ副局長は今後の課題として、「日本からよりベトナムを訪れやすくなるよう、ビザ手続きの簡素化が進むことを期待したい」と話した。