ハノイ市のオペラハウス 非公開だった内部の観光が解禁に

ハノイ市のオペラハウス管理委員会は9月6日、同市観光総局や芸術局と協力し、ハノイオペラハウス内部の観光を解禁した。美しい建物は観光客らに人気だが、これまで内部の見学はできなかった。今回、ガイドが案内し「歴史、建築、伝統芸術」を学ぶツアーが設けられ、ハノイ市では観光促進に役立てたいと考えている。

公開初日には式典が行われ、文化・スポーツ・観光省のダン・チー・ビック・リエン副大臣、彫刻家や水上人形劇の演者としても知られるヴォン・ズイ・ビエン副大臣、ハノイ市観光総局のゴー・ホアイ・チュン副局長、ハノイ観光局の代表者や旅行会社の関係者らが参加した。また、多くの市民らも館内のツアーに参加した。

ハノイ市のオペラハウスは、フランスのオペラ座を模して設計された。1911年に建設され、さまざまな芸術公演が行われている。美しい建築を見に訪れる観光客は多いが、これまでは外観を見ることしかできず、内部の見学はできなかった。

リエン観光副大臣は一般公開を記念した式典で、「文化・スポーツ・観光省は、オペラハウスのような伝統のある芸術の舞台や遺跡、歴史的文化的な建築物の観光活用に力を入れている。このような活動を通して、国内外から訪れる観光客に、ベトナムの特徴的な文化を紹介することができる」と期待を示した。


オペラハウスでガイドから説明を受ける文化・スポーツ・観光省のリエン副大臣ら

ハノイオペラハウス管理委員会のグエン・ミン・グエット会長によると、ハノイオペラハウスの公開は、「歴史・建築・伝統芸術」をテーマに、館内をガイドが説明しながら案内するツアーの形をとる。月曜日から金曜日の午前10時半から12時まで実施する予定。入場券は大人1人40万ドン(約2000円)。児童や学生などは50%引きの20万ドン(約1000円)で見学できる。

館内の見学は2部門に分かれており、はじめにメインホールや階段、観客席などを見物し、オペラハウスを建築したフランス人建築家らの設計図面を見ながら、建設の歴史や建築様式などを学ぶ。また、第一次インドシナ戦争中の1946年12月に起こった銃撃戦の弾丸の痕跡などを見た後は、ミラールームと呼ばれる部屋でお茶を楽しむ。このほか、建設時から現在まで、オペラハウスで行われてきたさまざまなイベントの資料なども公開される予定という。


荘厳なオペラハウスの舞台

見学の第2部では、「ベトナムの魂」をテーマに、舞台で演じられる伝統的な芸術プログラムを楽しむ。ダン・バウ(đàn bầu)と呼ばれるベトナムの1本弦の琴や、トゥオン(tuồng)という伝統歌劇、チャウ・バン(chầu văn)の踊りや水上人形劇などが紹介される。


観光ツアーではこのような伝統劇が披露される

開幕初日の館内ツアーは大盛況だった。関係者らは、オペラハウスが観光客を誘致する新たな観光スポットになると、期待している。