インドネシアの観光客誘致を ベトナムの魅力をPR

ベトナム観光局(VNAT)は、インドネシアからの観光客の誘致に向け、首都ジャカルタで旅行者向けの説明会を開催している。主要都市を結ぶ直行便も就航し、同国からの観光客は急増中で、観光収入の増加につなげたい意向だ。一方、ガイド不足や風習の違いなどの課題も残されている。

ジャカルタ各地で開催されている説明会では、世界遺産のハロン湾や古都フエ、ホーチミン市など主要な観光地の魅力を紹介。現地の最新情報やツアー商品の傾向、今月就航したジャカルタ─ホーチミンの直行便などを紹介している。

2016年、ベトナムには7万人のインドネシア人観光客が訪問。今年1-8月も前年同期比19.3 %増の5万5000人が訪れている。しかし、VNATの幹部は「ベトナムとインドネシアはASEAN(東南アジア諸国連合)の二大経済大国だが、観光分野における協力は十分ではなく、潜在的な需要はまだまだ高い」と話す。インドネシアでも、ベトナムからの観光客に期待を寄せ、協力関係を築いていきたいと考えている。

しかし、インドネシアの旅行会社によると、ベトナム観光のツアーを組むには、まだまだ多くの課題がある。インドネシアの旅行会社、グッドウェイの役員、アクマッド・ダニ氏は「インドネシア語を話すガイドの不足やイスラム教徒向けのハラル食への対応も十分とはいえず、ツアーを組むうえで難しい面がある」と明かす。

業界関係者は、「より多くのインドネシア観光客を呼び込むには、より多くのガイドがインドネシア語を学び、より多くのレストランがハラル食を取り入れるなどインドネシア人の風習に精通する必要がある」としている。

魅力的な観光地とユニークなツアー商品、フレンドリーな国民性、観光客の安心や安全を守る政策、ASEAN間のビザ免除、直行便の就航…。ベトナムならではの強みと、観光業界への追い風の中、VNATでは将来、インドネシアからの観光客が大幅に増えると期待を寄せている。