文廟で8カ国語の自動案内システム導入 ハノイ

ベトナム最古の大学跡で、観光の名所でもあるハノイの「文廟(孔子廟)」で、文廟文化科学活動センターが国内外からの観光客向けに8か国の言語で案内を提供する自動案内システムを開発した。システムは、1月11日から本格的に稼働している。

音声による説明は、ベトナム語のほか、英語、フランス語、スペイン語、韓国語、日本語、タイ語、中国語の計8言語で提供される。訪れた観光客は、あらかじめ説明内容が録音された機器を借り出し、それぞれ携帯して見学する。機器は、訪問者それぞれのヘッドフォンに接続されているので、周囲の人に影響を与えずに、好きな言語で説明を聞くことができる。

文廟文化センターのレ・スアン・キエウ所長は、「文廟では、外国人観光客のための通訳ガイドがいるが、限られた数の来訪者にしか対応できず、個人客や英語以外の言語には案内サービスが提供できていなかった」と、システムを開発した背景を説明。訪問者が遺跡の建設や発展の歴史を想像しやすいよう、分かりやすい説明内容を心がけたほか、物語なども盛り込んだという。これらの説明や物語は、歴史文化の専門家らが内容を検討した。

センターはさまざまな専門家の協力を得て、約2年間かけて自動ナレーションシステムを完成。システムの導入によって、「これでより多くの来場者が、文廟についての深い情報に接することができるようになる」と期待する。

これを機に、システム貸し出しやチケット販売などを行う新たなオフィスも設置。案内看板は、観光客向けの旅行案内や道順などを記したもので、錆びてしまっていた古い看板と交換された。

文廟は、ハノイ市内でも有数の観光スポットで、昨年ベトナムを公式訪問された天皇、皇后両陛下も、ここで日本留学の経験者らと懇談された。