ダラットの〝美しすぎる〟イチゴ農園 ベトナムではめずらしいイチゴ狩り体験も観光客に人気

ベトナム南中部高原地方のラムドン省ダラット市は、冷涼な気候を生かしたイチゴ栽培が有名だ。市内には多数のイチゴ農園があるが、なかでも話題なのがホア・タン・ティン農園。フェースブックに掲載した画像があまりに美しく、絶賛の声とともに、「こんなにきれいな農園があるはずがない」「写真加工では?」と疑うコメントが、インターネット上で寄せられるほどだという。

イチゴの水耕栽培のプランターが並ぶホア・タン・ティン(Hoa Thang Thinh)のイチゴ農園=写真㊤=は、ダラット市のダット・モイ地区7番地、約5ヘクタールの丘にある。ここでは、約1.2ヘクタールで、イチゴが水耕栽培されている。

イチゴは米国から輸入された品種だ。イスラエルの技術を応用し、イタリアの専門家コンサルティングを受けて栽培されているという。同社のブイ・スアン・ハイ副社長は、「第1フェーズとして、米国からアルビオン、サン・アンドシアスなど4種類のイチゴを植えた。今後、気象条件や土壌、消費者の好みなどを考慮しながら、生産の規模と種類を拡大していく考えだ」と話す。

イチゴのハイテク栽培を実現するために、同社は温室や水耕栽培用の植え付け枠、自動灌漑システムなどに約50億ドンを投資した。輸入された苗はココナッツの繊維を敷き詰めたプランターで約3カ月間育ててやっと実が収穫できるようになる。実の収穫期間は約8カ月間で、その期間が終わると、新しいイチゴの苗に植え替えられる。

欧州基準に基づいて生産されているので、収穫されるイチゴは安全で、農園の生産性も高い。同農園は、1日に約1.5トンという、全国的にもトップクラスの収穫量を誇る。作業員らが手でひとつひとつ丁寧に収穫したイチゴは、ベトナム全国の大型スーパーなどに提供される。

水耕栽培でイチゴが栽培されている様子は、間近で見学することができ、写真撮影もできるので観光客らに人気だ。

さらに、この農園では観光者のニーズにこたえるため、まだベトナムではめずらしい「イチゴ狩り」体験ができる。1000平方メートルのイチゴ狩り用ハウスでは、イチゴを自分で収穫し、その場で食べることができるのだ=写真㊦

ドンナイ省から訪れたレー・ヒュイ・タインさんは、「ダラットで多くのイチゴ農園を訪れたが、この農園とイチゴにはびっくりしました。ずっと奥まで見渡す限りイチゴの苗が並んでいて、とても美しい写真を撮ることができます。ダラットを離れたくなくなりますね」と絶賛した。