ベトナムへの修学旅行ツアー注目高まる 海外の学生ターゲットに

最近、海外からベトナムを訪れる学生を対象にした、学習と体験を組み合わせた観光ツアーが注目を集めている。まだ新しい試みではあるが、いくつかの観光会社が修学旅行などを商品として開発し、好評を得ているという。

今年3月、シンガポールのクイーンズタウン小学校の生徒たちが、教員らに引率され、修学旅行としてベトナム東北部のクアンニン省を訪れた。

最初に訪問したのは、湾内に奇岩の島々が浮かぶ、ユネスコの世界自然遺産に登録されているハロン湾だ。見学で生徒たちは独特の景観に驚嘆しただけではなく、一帯の環境保護のためにハロン湾に暮らす人たちが行っている努力などについても学んだ。また、自然環境や省エネに配慮した「緑のハロン湾」を目指す国際組織からの支援や協力についても紹介された。

ガイドの案内を受けて見学を行ったあと、生徒たちは船内でグループに分かれ、先生の指導を受けながら感想レポートの課題に取り組んだ=写真㊤

このほかにも、滞在中、クアンニン省ドン・チェウ郡のイェン・ドク観光村を見学したり、ハロン市のチャン・コク・トァン小学校の生徒たちと交流したりする機会も設けられたという。

このツアーの特徴は、首都ハノイやハロン湾などの有名な観光地の見学に加えて、ベトナム北部の特徴的な美術や文化などに触れ、地元の人々と交流できる点だ。単なる楽しむ観光ではなく、体験や学びが重視された内容となっている。

参加したクイーンズタウン小学校の生徒たちにも、今回の旅行は好評だったようだ。感想を尋ねられると生徒たちは口々に「旅はとても楽しかった。友だちにクアンニンで見たことや、体験したことを話してあげたい」「次は両親と一緒にベトナムを訪れたい」などと答えた。

この修学旅行を実施した旅行会社、プレステージ社のグエン・ティ・タン・ハー社長は、「先進国にとっては目新しい企画ではないかもしれない。だが、ベトナムの観光業界にとっては、世界各地の生徒や学生たちを対象に、興味深い場所を案内し、観光をしながら学ぶ体験を提案するというのは、まだ新しい試みだ」と話す。このモデルが少しずつ拡大していけば、「将来、海外から訪れる学生たちのために、より多様な体験ツアーを実現できるようになる」と期待している。