ニンビン省でチャンアン祭り開幕 世界遺産の景勝地舞台に芸術披露

グエン・スアン・フック首相が4月29日、紅河デルタ地方のニンビン省で開催される「2018チャンアン祭り」の開幕を告げる太鼓を打った。今年は、「遺産を受け継ぐチャンアン」がテーマ。ユネスコの世界遺産に登録された美しい景色の中で、1カ月にわたり、さまざまな芸術活動が繰り広げられる。

ニンビン省は、ハノイから約95キロメートル離れた紅河デルタに位置する。祭りは、ベトナムが、中国による1000年間の支配から独立し、初めて国家が設立された地で、西暦1050年の「ダイ・コ・ビエットの建国」を記念して、毎年行われている。

祭りは、愛国精神や国民の団結心、「水を飲むときは水源を思え」という先祖への感謝を促すことわざが伝えるベトナムの精神などを伝える。また、国の今後の発展や平安、五穀豊穣なども祈願する。

今年は、東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国や中国、日本や韓国などの国々も参加。期間中は5月30日まで、チャンアンの川沿いなどに設置された10カ所の屋外のステージで、さまざまな舞台芸術が披露される=写真㊦

川と切り立った崖がつくる一帯の地形は、「チャンアン景観地帯」としてユネスコの世界遺産に登録されている。祭りは、川沿いのメイ洞窟、ヴァン洞窟、ダイラ洞窟や、鍾乳石が輝くヴァン洞窟などが舞台となる。また、ティエン神社、スオイティエン神社なども会場となっており、観光客は多様な芸術とともに、ベトナムが建国された土地の歴史や、山河の美しさを同時に堪能することができる。