「隠れた宝石」イエンバイ省のムーカンチャイ 漆絵のような田植え期の棚田

ベトナム北東部、イエンバイ省にあるムーカンチャイ地区は、世界的にも珍しい棚田に彩られた美しい山々で、「ベトナム北部の隠れた宝石」と呼ばれる。田植え時期の5月ごろは、水をはった棚田の水面に太陽が輝き、まるで漆絵のような棚田の姿を堪能することができる。

ムーカンチャイ地区は、春、夏、秋、冬の四季がはっきりとしているが、どの季節も、その景色は美しい。なかでも、田植えのために棚田に水がはられる5月と、稲穂が黄金色に実る9月は、もっとも幻想的だ。

この季節、棚田が連なるムーカンチャイにあるカウパの谷は、まるでベトナム伝統の漆絵のようだ。棚田は土手の茶色で縁取られた田んぼの水面に光が反射し、そこに植えたばかりの稲の苗が青々と輝いている。

同地区ではパラグライダーも盛んで、空からこの棚田の絶景を臨むこともできる=写真。毎年、観光客向けのイベントとして、この時期、パラグライダーフェスティバルも開催されている。

また、カウパ谷の蜂蜜や地元ラー・パン・タン村の地酒、フンルオンと呼ばれるお茶など、地域の名産品も販売されている。一帯に暮らす少数民族のタイ族やモン族が、観光客らと一緒に参加するイベントなどもあり、この時期のムーカンチャイは、美しい風景とともに楽しめる要素が満載だ。