乗り降り自由の2階建てバス 観光地めぐる路線が運行 ハノイ市 

ハノイ運輸総公社(ハノイ・トランスポート・サービス=TRANSERCO)は5月30日、ハノイ市中心部の観光地を循環する乗り降り自由の観光客向けバス路線「ホップオン・ホップオフ・ハノイシティー」の運行を開始した。ハノイでの2階建て観光バスの運行は初めてとなる。


ハノイ市や観光総局の代表者らがテープカットを行った

バスの運行は、観光バスを運行するベトナム・ホップオン・ホップオフ有限会社と連携して実現した。利用するのは2階建てのオープンカー型の80人乗りバス。高い2階席から街の景色が眺められるのが魅力のひとつで、ハノイ運輸総公社のグエン・コン・ニャット副社長によると、このタイプのハノイ市内での運行は初めてという。

バス内部には、無線LAN、USB型の充電口、冷蔵庫やスクリーン、監視セキュリティシステムなどが完備。GPS全地球測位システム、自動変速機などのハイテク技術も搭載されている。また、乗客の乗り降りがしやすい車体の低い低床バスとなっている。

開業式典で、ハノイ市人民委員会のグエン・テー・フン副委員長は、「2階建てバスを利用したこのツアーは柔軟で便利だ。街のイメージアップにつながる」と期待を示した。また、観光客を誘致し、質の高い観光商品の提供に貢献するほか、首都ハノイの観光ブランドを高める役割も担う。

安全面も重視して、ハノイ市はトランセルコ社に対して、責任をもってツアーを安全に運行し、サービスの質を維持するよう求めた。また、このような高品質のサービスで他のバスツアーの見本となり、安定的に発展し、長く継続して運行できるよう、各省庁と連携するよう指示した。

「ホップ・オン・ホップ・オフ」とは、英語で乗り降り自由の意味。ベトナムでは、ホーチミン市で同様のサービスが始まっている。
13.8キロメートルのコースを走る「ホップ・オン・ホップ・オフ・ハノイシティー」の1号線は、観光に利便性の高い場所に13カ所のバス停が設けられ、利用者はどのバス停でも乗り降りできる。路線の利用で、観光客に人気の30カ所の名所を訪問できる設定となっている。

バスは、毎朝9時から午後5時まで、30分ごとに1本ずつ運行。利用客は、どのバス停でも乗り降りが自由にできるので、好きなバス停で降りて観光し、30分間隔で回ってくる後続のバスに乗って、次の目的地へ行くといった利用ができる。


熱心に観光客に案内するスタッフ

また、シティーツアーでは、全自動の案内システムが多言語で展開されるのも魅力だ。車内では英語、中国語、日本語、韓国語などで案内を聞くことができる。ハノイの歴史などを深く理解してもらえるよう、ハノイの文化や歴史的遺産などを紹介する。

乗車チケットは、ホアンキエム湖やオペラハウスなどの観光地で購入可。乗車の際に料金を払うこともできるほか、大手のホテルや国内外の旅行会社でも扱う。ホップ・オン・ホップ・オフのサイト(https://hopon-hopoff.vn/)では、オンライン購入することもできる。