マウソン地区を国家観光地区に整備へ 政府が計画承認、北部ランソン省

ベトナムのグエン・スアン・フック首相はこのほど、北部山岳地帯ランソン省のマウソン地区を「国家的観光地区」として発展させる地域開発計画を承認した。2040年までに、一帯で150万~200万人の観光客誘致を目指す。

マウソン国家的観光地区の整備は、手つかずの美しい景観が残る北部山岳地の風景を生かし、一帯を全国でも有数のリゾートと娯楽、文化の集積地として整備するというもの。

ランソン省には、山岳少数民族が多く暮らしていることから、少数民族の精神性、文化的アイデンティティの保存、継承も行ないつつ、スピリチュアル観光やエコツーリズムの拠点として発展させる。

一帯の観光産業を振興すると同時に、スポーツ、文化、娯楽などのインフラ、高級リゾートや宿泊施設などの社会インフラ、交通インフラなども整備する。また、住居の整備や観光活動の活性化、化学や自然、エコロジー分野の研究事業の集約と促進などによって、地方の労働雇用を創出する。一帯が中国との国境に隣接していることから、貿易も促進でき流ときたいされており、国防や治安維持などの面も充実させるという。

計画によると、対象となる地区は、ランソン省のカオロック地区のコンソン、マウソン、カオロックを中心に、隣接するロックビン地区などが含まれる。開発対象となる土地は、総面積は、1万4964ヘクタールに及ぶ。空間や土地利用も総合的に企画し、技術や環境衛生分野のインフラ整備、社会インフラの整備などを進める。

一帯では、2030年までに人口が1万2000~1万5000人、2040年までには2万~3万人に増えると予測されている。また、一帯を訪れる観光客は、2030年までに1年間80万~100万人になる見込み。その数は、2040年までには、150万~200万人にまで増やすことを目指す。

計画承認を得たことで、今後は、現状分析や評価などに着手する予定。続いて、地域開発の状況と開発の背景分析、開発の手法や適用する技術、インフラ整備企画などの具体的な方向性を決定していく。