ハノイへの外国人観光客、一時回復も先行き不透明 欧州での流行拡大などで

ハノイ観光局の統計によると、同市を訪れる外国人観光客の数は、中国、韓国からの観光客激減で、新型コロナウイルス(COVID-19)による肺炎発生前と比較して、最大約50%減まで落ち込んだ。一方で、欧米からの観光客は増える傾向にあったが、その後の欧州での新型肺炎流行で、今後の先行きは再び不透明な状況になりそうだ。

通常のハノイへの観光客の内訳をみると、65%がアジアからの観光客で、ヨーロッパからの観光客は25%。アジア人の観光客激減を受けて、ハノイツーリストやビエッチャンツアーなどの大手旅行会社は、ヨーロッパや米国などからの観光客誘致に力を入れたところ、今月初旬には欧米からの観光客数は増加に転じていた。
ハノイ観光局のチャン・ドック・ハイ局長によると、ハノイ市は、消毒の徹底や、観光客らへのマスクの無料配布など、新型コロナウイルスの予防対策にしっかり取り組み、観光サービスの質も向上。現在、中国からの観光客は大きく減ったが、今月初旬の数字では、日本からの観光客は新型肺炎発生前に比べて200%増、インドからの観光も客も65%増加した。さらに、ハイ局長は「ヨーロッパからの観光客も増えていた」という。
ベトナム政府や観光総局は、観光地での新型コロナウイルス予防策などの情報を積極的に公開したほか、国内での発生が抑制されていたことから、ベトナムが安全な旅先であると発信。また、ベトナム各地の観光地が、通常どおりに観光客らを受け入れていることをアピールしたことが、外国人観光客の回復に寄与したと評価していた。
しかし、その後、ヨーロッパでも新型肺炎の流行が拡大し、政府は欧州8カ国への査証(ビザ)免除措置を一時停止。回復の兆しが見えたベトナムの観光業も、再び先行きが不透明な状況となっている。