バーデン駅、世界最大のケーブルカー駅にギネス認定 タイニエン省

ベトナム東南部タイニエン省にあるメコンデルタの最高峰、バーデン山に開設されたケーブルカーのバーデン駅が、今年1月、「世界でもっとも大きなケーブルカー駅」として、ギネス世界記録に認定された。同駅は1時間に最大8800人が利用できる=写真。

バーデン山には、1万959平方メートルにまたがり、2本のケーブルカー路線が走っており、山のふもとにあるバーデン駅はそのターミナル駅。周辺のバー山、フン山、へオ山の三山を表現した独特の屋根の形が有名で、駅の中央ロビーに入ると、木を模した5本の大きな柱のデザインが、林の中にいるかのように感じさせてくれる。

バーデン山の近代的なケーブルカーシステムは、大手観光開発、サングループの観光施設「サンワールド・バーデン・マウンテン」の一部として設置された。

もう一本のバンソン路線は、山のふもとのバーデン駅から、山頂のバンソン駅=写真㊦=までを結ぶ。113基のケーブルカーを利用し、利用客は、全長1847メートルをわずか8分で移動できる。

山頂のバンソン駅は、ベトナムの宗教のひとつ、カオダイ教の建築物をイメージして設計された駅舎で、素材には砂岩を利用。色ガラスをモザイクのようにあしらった多色の空間である中央ロビーには、大きなシャンデリアがあしらわれている。

もう一本のハン寺方面の路線=写真㊦=は、78基のケーブルカーが、1211メートルの距離 を結び、バー寺とハン寺を訪問出来る。こちらの駅は、寺の建築を反映し、ケーブルカーのキャビンにも釈迦牟尼仏像が描かれている。

第1期の投資は、総額約20兆ドンで、オーストリアの建築設計会社、ドッペルマイヤー・ガラベンタ・グループが施工した。

サングループはベトナムの大手観光開発会社で各地の観光インフラに投資しており、これまでに、中部沿岸地方ダナン市のバナ・ケーブルや、ユネスコの世界自然遺産に認定されているハロン湾のケーブルカー、南部のリゾート、フーコック諸島のトム島ケーブルカーなどの開発で知られる。また、同社が北部山岳地帯に設置した、ベトナム最高峰、ファンシーパン山のケーブルカーは、世界で最長の3本のケーブルカー路線やベトナムでもっとも多くの人を運べるケーブルカーとして有名だ。