新型コロナ拡大のダナン市、隔離の観光客らが感謝の手紙 「観光都市」の評価下げず

新型コロナウイルスの感染が拡大していたベトナム南中部沿岸のリゾート都市、ダナンでは、7月末から2週間以上、首相指示で社会的隔離措置が実施されていた。交通が遮断されたため、多くの観光客らが市内に足止めされたが市や関係者らの手厚い対応に感謝の手貝が多く届くなど、ダナン市の観光都市としての評価は高いままだという。

鉄道や飛行機などの交通が全面的に遮断されたダナン市で、今月12~14日、政府が旅客機7機を用意して約1400人の旅行客が帰宅の途についた。この困難な時期、医療関係者らは日夜を問わず、首都ハノイやホーチミン市などから観光や仕事で訪れた人々の支援を行った。これらの人々の多くは、ダナンを立ち去るさい、市や医療関係者らに深い感謝をこめ、ダナンでの楽しかった思い出や隔離期間中の様子などについて手紙に記し、関係者らへ手渡していた。ベトナム観光新聞が報じた。

ハノイからダナンを訪れていた観光客のラン・アィンさんは、「人生で最も記憶に残るであろう日々だった」と振り返る手紙をつづった。「自宅から離れた場所での隔離だったが、孤独ではなかった。支援者らがあたたかく見守ってくれたおかげで、乗り超えられた」としたうえで、「ハノイに戻ったけれど、ダナン市の感染拡大に心を寄せています。ダナン市のみなさん、がんばってください」と声援を送った。

観光客のひとり、クオンさんも、7月28日から隔離されていた。「故郷から離れていても、ダナン市の人々、とりわけ旅客者支援センターのみなさんからは、あたたかい支援を受け、いろいろ手伝ってもらえました」と話す。帰宅予定だった航空便がキャンセルされた後、クオンさんには宿泊先が手配され、10日間以上もの隔離期間中、生活面や食事などの支援を受けただけではなく、クオンさんが抱えた疑問に答えて不安をぬぐってくれ、帰宅の交通手段の支援まで受けられたという。

「関係者のみなさんは、毎日夜中の12時まで対応してくださって、本当に感謝している。また近いうちに、ダナン市を旅し、恩返しができることを期待している」と話した。

多くの旅行者らが、帰宅の飛行機に乗り込む前に、匿名で、市当局や関係者らに向けたお礼の手紙を託した。あたたかい感謝の心を記し、関係者らを支持、応援する気持ちをつづったものがほとんどで、多くがコロナの収束後、「ダナンを再訪したい」としていた。ダナン市での新型コロナの拡大は、一時的には観光への打撃となったが、丁寧な対応のおかげで、観光客らのダナンの評価は依然として高いようだ。