観光PR番組を国内外に発信へ モデルのジェシカ・ミン・アインさん、観光総局と共同で

アメリカを拠点にファッションプロデューサーとしても活躍するベトナム出身の国際的モデル、ジェシカ・ミン・アインさんが、ベトナム観光総局と共同で、魅力あるベトナムの観光資源を国内外に発信する番組を制作すると発表した。新型コロナウイルスの大打撃を受けるベトナムの観光業だが、感染収束後の観光復興に大きく寄与すると期待されている。

12回放送される予定の番組タイトルは、「ジェシカ・ミン・アイン:カミングホーム(ベトナムへの帰省)」。ドキュメンタリー風の手法をとり、アインさんがベトナム全土をめぐり、神秘的で雄大な自然の美しさや、各地の特徴的な伝統文化などを再発見していくというもの。今月下旬から12月末にかけて、国内の観光需要喚起としてベトナムのテレビ局で放映する。さらに、潜在的なインバウンド観光客をねらい、海外でもモバイルアプリやソーシャル・ネットワーキング・メディアなどを通じて放送される。

アインさんは、パリのエッフェル塔やロンドンのタワーブリッジ、クアラルンプールのペトロナス・ツインタワーなどで行われた一流のファッションショーに、モデルとして登場してきた。グランドキャニオンの展望橋、スカイウォークで開催された「世界で最も高い場所で開かれたファッションショー」にも出演したほか、1ワールドトレードセンターのシンボルイメージにも選出され、アメリカの自由と希望の象徴を託されたこともある。


今年2月には、物流大手、DHLエクスプレス社と組んで、ジョンFケネディ国際空港(ニューヨーク市)にある世界的な物流拠点を舞台にしたファッションショーをプロデュースした=写真。独創的なアイディアの発信から、米国では非常に知名度の高いベトナム人女性で、母国でも「米国で成功を収めたベトナム出身者」として有名になった。

海外で学び、働いた年月が長いものの、このハノイ生まれのスターは、母国の発展への貢献を忘れてはいなかった。今回、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大でベトナムの観光業が大打撃を受けたことで、観光の需要を喚起する起爆剤になろうと決意。ベトナムの美しさだけでなく、伝統や文化など内面的な豊かさも発信したいと、企画を提案したという。

アインさんは、世界的に知名度が高いだけでなく、ファッションイベントのプロデュース業を通じて、英国のBBC や米国のCNNやFox テレビ、米国のスペイン語放送局、テレムンド、ウォールストリートジャーナルなどのメディアとパイプをもっていることも強みだ。観光総局のハー・バン・シェウ副局長は、「今回のアインさんの番組企画により、ベトナムが安全な旅行先であるというメッセージとともに、ベトナム観光の高級なイメージも世界に向けて発信できる。コロナ終息後のベトナムの観光の復興につながる」と期待している。