コロナ再流行で苦境に ハノイの観光業界ため息

新型コロナウイルスの再流行でハノイ市の観光産業が大打撃を受けている。破産や営業停止が広がっており、人材の流出にも歯止めがかからない状況となっている。

ハノイ観光局によると、2021年前半に同市を訪れた旅行者は、全年同期比25%減の290万人。観光収入は同57%減の8兆1000億ドン(約390億円)と試算されている。ホテルの稼働率も同7.8%減の24%前後と低迷。第1四半期に95%の旅行代理店や観光業者が営業を停止するか破産した。業界では1万2168人が職を失い、750の宿泊施設が営業を停止している。

旅行代理店、フラミンゴ・レッドツアーズのグエン・コン・ホアン支所長は「新型コロナウイルスの再流行で、会社に大きな損失が生じた」と窮状を訴える。ベトセンス・トラベルのグエン・バン・タイ支所長 も「旅行代理店は、もはや従業員の雇用を維持することができない。従業員は生活のために転職せざるをえなくなっている。賃金が同水準で自分に見合った仕事があれば、彼らはもはや観光産業には戻ってこない」と悲観。ラックスグループのファム・ハ支所長も、「一時は国内旅行復活の兆しもあったので、従業員を増やしたが結局、営業を拡大する 計画は延期になった。会社多くの問題に直面しており、政府の援助が救いだ」と悲鳴を上げる。

ハノイ観光局の担当者は「地方の党委員会と人民委員会に、観光インフラのリノベーションを含めた支援策を求めている」と話す。同局では現在も、観光商品の改善や今年後半のイベントに向けた準備を進め、地方当局に同市へのツアープラン作りを呼びかけている。 ただし、再び観光サービスが始まったとしても「宿泊施設やレストラン、観光イベントはコロナ対策をすることが求められるだろう」としている。