中部高原のコントゥム省は、観光資源が非常に豊かな地域だ。遺跡などの歴史遺産に加えて、独自の文化を継承する複数の少数民族が分布。さらに、ベトナムとタイ、ラオス、ミャンマーを結ぶ道路整備を基盤とした経済開発計画、東西経済回廊に位置する重要なポイントにあり、観光拠点を目指したインフラ整備を求める声が高まっている。

写真㊤=緑豊かなマンデン森林公園

同省では観光を重要産業と位置付け、ハイクラスの訪問者や団体客、旅行者を呼び込む品質の高い観光インフラ整備に一貫して取り組んできた。

省内には、セダン族やバーナー族、ジャライ族、レンガオ族などの少数民族が暮らしており、多彩な地域文化を今に伝えている。地域には省認定の10の観光名所・コースがあり、うち6つがコン・プロン地区、1つがダクハ地区、残る3つがコントゥム市にある。エコツアーやコミュニティー・ベースドツアー、歴史ツアーなども充実させている。


コントゥム省では、複数の少数民族が豊かな伝統文化を継承している

同省文化スポーツ観光局のグエン・バン・ビン局長は、「現在、省内には153の宿泊施設、計2183室があり、稼働率は65~75%に上る。観光は、東西経済回廊にまたがる3省の経済発展にも寄与してきた」と強調する。

先月開かれた文化スポーツ観光省主催のイベントでは、同省の観光開発に対して、活発な意見交換や提案が行われた。出席したベトナム政府観光局のハ・バン・シウ副会長は、「観光分野へ、さらに多くの投資を呼び込む政策が必要だ」とし、具体例としてマンデン森林エコツーリズムやチュモムレイ国立公園へのアクセス整備や、博物館やゴルフ場開発を挙げた。


尖塔とアーチが目を引くコントゥム教区の木造教会


シーズンには野生のヒマワリが目を楽しませてくれる

一方、隣接するザライ省観光協会のグエン・タン・チャン会長は、南中部海岸地域との協力強化とカンボジア、ラオス、ベトナムを結ぶトライアングル地域でのユニークな観光を提案した。

ベトナム旅行協会フォン・クオン・チャン副会長は「地域文化の美点をいかした観光商品開発や一村一品運動に投資をする必要がある」とし、地元や中部高原観光の魅力を売り込むプロフェッショナルな観光マネジメントチーム育成を推奨した。