観光、急速に回復 韓国や米国から増加

ベトナムの観光客が、本格的に回復する兆しを見せている。昨年は、外国人観光客500万人の目標を達成はできなかった、入国に対する規制緩和以降、徐々に増加し、年末近くには、前年同月比の数十倍という高い数字を記録。今年の本格的な観光需要回復を予感させている。

ベトナムは 昨年3月、入国手続を新型コロナウイルスに対する水際措置が適用される以前の状態に戻し、観光客の受け入れを全面的に再開した。4月下旬には、到着時の健康状態の申告の義務付けを停止、5月15日以降は、新型コロナウイルスの検査要件が取り下げられた。

これにともない同年5月の外国人観光客数は前月比 70.6%増、前年同月比では12.8倍を記録した。その後も順調に推移し、旅行会社と宿泊施設の90%近くが営業を再開した。

エスペラントツールアンドサービスのブイ・チュック・アン・ディレクターは、「第三四半期は韓国を筆頭に、米国の観光客も力強く伸びている」と話す。こうした既存の市場だけではなく、インドや中東、北部ヨーロッパという新たな市場からの観光客も目立つようになった。

グーグルが提供するする旅行業界向けの分析ツール、グーグル・デステイネーション・インサイツによると、昨年10月のベトナムの観光宿泊施設の検索件数は、前月比約20%増に。観光客の受け入れを再開した同年3月に比べて11倍増となった。

ベトナム国家観光局のハ・バン・シウ副局長によると、最も象徴的なのは、昨年11月の外国人観光客が59万6900人に上り、前年同月比39.7倍を記録したこと。「実際、インドなど一部の国からの観光客数は急速に増加している」と話している。

こうしたなか、政府や業界では、外国人観光客と国内観光客の双方に向けて広告とプロモーション活動を強化。昨年11 月にロンドンで開催された欧州最大級の旅行・観光見本市、ワールド・トラベル・マーケット2022でも、ベトナムの代表団は数多くの会議に参加したり、活動を展開したりするなど、観光促進に力を入れている。