観光客のピークに備え、人材トレーニングが急ピッチ クアンニン省

観光客が増加し、観光関連施設での対応が増える観光シーズンのピークにおいて、観光に携わる人材のレベルアップは、クアンニン省の観光産業にとって重要で喫緊な課題と言えるだろう。

フィリピン国籍のジョン・アドナイラム・カヤナンさんは、ヨットのキッチンスタッフ兼顧客サービス担当だ=写真㊤。国際基準に従って多くの国で働いた経験があり、現在はクアンニン省を長期的な生活と仕事の場として選択した。

ジョン・アドナイラム・カヤナンさんは「クアンニン省の観光産業は、外国人観光客にサービスを提供するため、特に外国語が得意な質の高い人材を必要としている。ここの旅行会社は報酬も良く、クアンニン省で仕事をすることを選びました。ここでは、自分の強みをアピールするだけでなく、同僚たちと一緒にトレーニングに参加したり、自分のレベルアップに取り組むこともできる。今後はベトナム人観光客とより良いコミュニケーションが取れるように、もっとベトナム語を学びたい」と話した。

実際、サービスの質の向上は、企業にとって大きな関心事だ。優秀な人材の確保を目指して、教育機関との連携を強化したり、学生がインターンシップや実践的な環境で、業務内容を把握するのに有利な条件を整えている企業もある。

クアンニン省では、観光シーズンのピークに備えて、準備が始まっている。人材のスキルアップは欠かすことができない重要課題だ。過去3年間で約1万人の労働者が転職した。転職者の多くは、専門知識や外国語、特定のスキルを備えた人々であり、現在は企業や工業団地などで仕事に従事している。専門知識やスキルを有する労働者を採用したり、育成するためには、少なくとも数か月の期間が必要になる。


外国人観光客向けに観光地を案内する旅行スタッフ

4月30日、5月1日などの休暇中に、クアンニン省への訪問者数が増加し、ホテルやクルーズ船をはじめ観光サービス産業に必要な人材の増加が予想される。船主の多くは「船を操縦する船長、船内で働くスタッフらを雇うことができないのではないか…」と懸念しており、一部のホテルも同様に人手不足の状況にあるという。観光客に十分なサービスを提供するために、さまざまな部門からの人材の確保やトレーニングの必要性が高まっている。

クアンニン省の観光局は、就職希望者とのオンラインや対面でのコミュニケーション強化、地域での就職説明会の開催など、観光を学ぶ学生たちをはじめ、就職希望者を引き付けるための取り組みをさらに進めて行く方針だ。同時に、教育と学習の質的向上、特に職業能力の向上を図っていく、という。