ハノイから西へ約260キロにあるトラムタウ温泉=写真=は、観光客にとって忘れられない場所になるだろう。イエンバイ省はこの辺境の地を「小さなバリ」として、観光開発キャンペーンを計画している。

温泉は二つあり、一つは水温43度、もう一方は35度。湯量は豊富で、関節痛や風邪などの改善に効果があるとされる。

トラムタウ温泉は、森と長く続く段々畑、そして村に囲まれている。ガイドのディン・バン・フオンさんによると、入浴は朝が最も良く、9月から10月にかけてはムーカンチャイ地区の棚田を眺めながら、ゆっくりと湯につかるのがお薦めだという。

エリア内にはレストランや温水プール、バンガロータイプの宿泊施設などがある。レストランでは、香ばしい焼き豚、五色のもち米、スパイシーなタケノコ料理、燻(いぶ)した水牛の肉などの地元の名物料理が楽しめる。温水でリラックスした後は、友人たちと屋外でバーベキューをすることも可能だ。

トラムタウへの道は見どころが点在しているが、丘陵を越え曲がりくねった道もある、しかも道幅が狭く、車で走行する際には、ゆっくりとした運転が基本だ。

地元では、2030年までに約24万人の観光客を迎え、観光による総収入として約6580億ドンを目標にしている。「3つ星」以上の宿泊施設2軒を含む約1000室の客室とホームステイサービスを提供する約50世帯の確保を目指し、観光促進活動を強化している。宿泊施設やサービス産業の創出により、約2500人の雇用が生み出される、と期待している。

トラムタウは、エコツーリズム、グルメツーリズム、温泉リゾートなどの分野で上質な観光の提案を目指している。特に温泉リゾートは、季節によって観光需要が変動する問題を解決し、観光分野だけでなく経済の分野でも発展を後押しする重要なプロジェクトになるだろう。