晩秋のハノイを彩る「クック・ホァ・ミ」  白く可憐な〝ナイチンゲールの菊〟

ハノイでは4月はノウゼンカズラ、夏の5~7月はハスが代表的な花です。では、晩秋初冬の花は、と言えば「クック・ホァ・ミ」(Cúc Họa Mi)。ベトナム語では、ナイチンゲールの美しい声に例えて、「ナイチンゲールの菊」と、とてもきれいな名前でよびます。(VNLハノイ)

クック・ホァ・ミの花は白くて小さく、黄色の花芯が鮮やかです。くきが長くて、かすかに芳香があります。花の季節は短く、2週間ほどしか咲かないのですが、切り花でも香りが楽しめ、1週間は飾っておけます。

この時期、ハノイは街ではあちこちでクック・ホァ・ミが見られます。
ベトナムの人は誰でもこの花が好きです。特に若者や、お母さんと子どもたちは、花と一緒に記念写真を撮ります。毎年この花と撮影することで、子どもの成長が感じられるからです。

 

この季節はハノイのどの家にも、クック・ホァ・ミを生けた花瓶があります。花の軽い香りがとても気持ちよく、お茶を飲みながら過ごしたら最高です。

最近では化粧品やボディーソープにもこの花の香りを入れています。また、雑誌などでは、服や靴などの商品写真にこの花をあしらったりします。この花の形も色も香りも、ベトナムの人に愛されているので、市場でも人気でよく売れています。

ハノイはベトナムの首都ですが、落ち着いていて、歴史や文化や自然が守られている場所だと思います。クック・ホァ・ミの季節は、とくにそれが感じられます。ハノイに来るチャンスがあれば、ぜひ楽しんでください。