Năm mới Xin chữ 旧正月に文字をもらう風習 門文廟の書道市

ベトナムでは旧正月が一年で最も大事な行事です。テトといえば、バンチュンやハム、ジャムなどのお料理、お花だと桃の花とキンカンの木など、欠かせないものがたくさんありますが、今回は、ハノイにある門文廟に行き、筆で書かれた文字をもらうテトの風習を紹介します。(VNLハノイ)

テトの書道市で書かれる文字をもらう風習は、ベトナムではシン・チュー(Xin chữ )とよびます。

旧正月の連休ではみんな、一週間くらい休みをとりますが、新年にお寺などに参る人がとても多いです。なかでも、ハノイにある門文廟を訪れる人は、旧正月の一日だけで数十万人を数えます。

 

写真は、門文廟の正門で開かれている書道市の様子です。このお正月の書道市の参加者(出店者)は主催者に申し込まなくてはなりません。昔は文字を書く人は年配の人が多かったのですが、最近では書道を勉強する若者も参加して、約100店が並びます。

一般的に旧正月の書は「心」「徳」「福」「合格」「成功」などの文字が好まれ、新年がよい年であるように、願う言葉が書かれます。また、書をもらう人は、90%が小学生、中高生、大学生などです。新年に小学校や大学の入学試験を受ける人が多いからです。

 

料金は1枚10万ドン(約500円)で、特別な紙の場合は少し値段が高くなります。ちょっと高いですが、旧正月なので、ここで値段交渉をする人はあまりいません。

 

書道市では人気のお店には行列ができます。また、家族そろって書をお願いする光景がみられます。一番人気のあるお店は、白髪でひげが長いおじいさんの所でした。

 

書を書いているみなさんは、ほとんどがベトナム人ですが、今日は特別な人物をご紹介します。日本から来て参加している吉野絵莉さんです。

 

吉野さんは大阪大学で4年間、ベトナム語を勉強し、ベトナム語がとても上手です。ベトナム語の書道もすばらしいものでした。

 

吉野さんは、お客さんに頼まれた文字を書いてくれます。ベトナム語と漢字、日本語の文字も書いてくれます。そのために人気があって、吉野さんのお店を訪れるお客さんもたくさんいました。

 

書を書道家にお願いして書いてもらう文化は、日本にはあまりないと聞きましたが、ベトナムではこれが旧正月の風習、文化の一つです。旧正月の時期にハノイを訪れる方は、ぜひ体験してみてください。