「第1回 日越弁論大会」開催 日本語とベトナム語で16人が熱弁

ベトナム語と日本語による関西初の弁論大会「第1回 日越弁論大会」(在大阪ベトナム青年学生協会=VYSA OSAKA=、大阪なにわロータリークラブ主催)が10月11日、大阪大学の大学会館(豊中キャンパス)で開かれ、選出された16人が舞台発表を行った。

弁論大会は、ベトナム人留学生は日本語で、日本人はベトナム語でそれぞれスピーチを披露するユニークな試み。日本とベトナムの相互理解と交流促進をねらい、大阪大学の学生でもあるVYSA OSAKAのホアン・ティ・キム・ズン会長らが、昨年から企画を温めてきた。留学生らの熱意に、大阪なにわロータリークラブ(藤本滝三会長)が賛同し、主催に加わったことで開催にこぎつけた。また、大阪大学大学院言語文化研究科・外国語学部が共催、在大阪ベトナム総領事館、大阪大学国際教育交流センターなどが後援に加わった。

日本語、ベトナム語とも、スピーチのテーマは「輪(わ)」。日本の大学や専門学校などで学ぶ留学生が対象の日本語部門では、書類選考で舞台発表に選ばれた8人が登壇し、来日後にアルバイト先で「連帯責任」の考え方を教えられたという体験談などを発表。また、稲作を題材にベトナムの農業支援を説いたり、日越の経済交流が深まるなかで「将来は法律知識を身につけて日越のかけ橋となりたい」と夢を語るなど、それぞれが流暢な日本語で熱弁をふるった。

 

ベトナム語部門は、ベトナム語を専門に勉強する学生による「ベトナム語専攻」部門と、一般のベトナム語学習者の2部門で開催。参加者は高校生や80歳代の男性など、多彩な顔触れとなった。けん玉を通じた交流の経験や日本でがんばるベトナム人との深い友情などが紹介されたほか、現地の人々との井戸端会議に飛び込んだときの様子などが生き生きとしたベトナム語で語られると、観客席のベトナム人からは笑い声や拍手がわき起こっていた。

 

弁論大会の審査員を務めた大阪大学大学院言語文化研究科の清水政明准教授は、「日本語を学ぶベトナム人は多いが、この弁論大会をきっかけに、ベトナム語を学ぶ日本人が増えてくれれば」との期待を述べた。また、VYSAのズン会長は「『好きこそものの上手なれ』といいますが、参加者はみんな日本語、ベトナム語が上手で、お互いの国がとても好きなのだとよくわかりました」と語り、「日越友好の人材としてがんばり続けて」とエールを送った。

舞台ではベトナム人留学生によるベトナム語の歌の披露や、日本人による日本舞踊の文化交流も行われた。大会後には、懇親会も開かれ、参加者と企画にあたったベトナム人留学生らが親睦を深めた。

 

≪各部門の表彰者≫
日本語部門  
最優秀賞 Hồ An (ホー・アン)さん
優秀賞 Hoàng Tấn Đạt (ホアン・タン・ダット)さん
努力賞 Nguyễn Thị thảo Vân (グエン・ティ・タオ・ヴァン)さん

ベトナム語部門 最優秀賞(総合) 松井知輝さん

ベトナム語非専攻者部門
最優秀賞  伊藤宏美さん
優秀賞   吉村鏡子さん
努力賞   田中哲次郎さん

ベトナム語専攻学生部門
最優秀賞  松井知輝さん
優秀賞   櫻井祐太さん
努力賞   山川由人さん