美しいハノイの秋

ベトナムの北部は今、美しい秋の季節を迎えています。近代的な高層ビルが次々と建つハノイですが、一方では古い街並みが長い歴史を伝えます。特に木々が紅葉するこの時期は、ベトナム人が郷愁を感じる風景があちこちで見られます。(VNLハノイ)

10月から11月にかけて、北部や首都ハノイは秋が一気に深まっていきます。気温は朝や夜は20度くらいに下がります。昼間の最高気温は30度になることもありますが、夏と違い、木陰の下を歩くと涼しさが感じられます。

この時期は、木々の紅葉がとてもきれいです。ハノイでよく見られる「バン」という木の葉は、美しい赤に紅葉します。

また、「スアの花の木」はこの時期、雪のような小さい花がかわいらしい丸い房になって咲きます。この花は独特のいい香りがします。スアの木の下にいると、ふわりと香りが漂ってきて、ロマンテックな気持ちにさせてくれます。

 

赤や黄色の葉が落ちた旧市街の辺りでおばあさんが歩いているのを見かけました。なんだか懐かしい雰囲気で、まるで絵のような風景でした。

 

そして、この時期の欠かせない食べものが、熟す前のまだ緑色のもち米のコム(Cốm)や、これで作ったおもちなどです。

 

コムはそのまま食べたりするほか、バナナにコムをまぶして食べるのも盛んです。また、いろんな料理の材料としても使います。例えば、豚ひき肉とコムを混ぜたタネを丸く平らな形にして油で揚げ、お粥やご飯のおかずにするととてもおいしいです。
この時期、あちこちの道端で、背負いかごの中にお餅やコムを入れて売っているおばあさんたちをたくさん見かけます。先祖伝来の手法でコムを作り、売っているお店もあります。お土産にぴったりですよ。

秋のハノイを訪れたなら、ぜひ、紅葉とコムを楽しんでくださいね。