健康にとても良いとされる「黒にんにく」をご存じでしょうか。今回はベトナムで、その製造に成功したソンさんをご紹介します。(VNLハノイ)

「黒にんにく」は、ふつうの白いにんにくを高温高湿の環境で3〜4週間熟成させたもので、自然に中身が黒い色に変わります。オリジナルは日本で作られたそうです。

写真㊤=完成した黒いにんにく (TỎI ĐEN)
黒にんにくには高い健康作用があるそうで、最近、ベトナム人の間でも広まりました。海外から購入する人も多いようですが、値段がとても高いのです。自分で手作りに挑戦する人もいますが、手作りするのは難しく、成功する人はまだ少ないようです。

 

その黒いにんにく作りに成功したのは、グエン・ラム・ソンさん(50歳)。ソンさんは、国営会社で働く傍ら、自由な時間はスポーツや写真撮影、木の栽培をするなど多趣味です。研究も好きで、黒にんにくについて知ると、日本での作り方などを参考にして、試行錯誤で黒にんにく作りを始めました。

ソンさんによると、黒にんにくを作る時に一番困難なのは、にんにくを熟成させる際の温度と湿度の調整だそうです。一般的には熟成させる時間が長ければ長いほど良いと言われていて、日本での作り方では30-60日間くらい高温多湿の状態を保ちます。ですが、ソンさんの編みだした方法だと20日間だけで完成するので、効率よく作れます。

黒ニンニクのエッセンスは、研究などから酸化防止や免疫を増強の効果があるとわかり、がん、心臓血管系の疾患、糖尿病などを予防するともいわれています。


試験的に作ってみた黒にんにくは、今は家族と親戚が使用しているという

 

現在はまだ試作だけで、家族で使用しているそうですが、今後は量産が成功したら、販売もしていく考えです。今、ベトナム市場では、黒にんにくは1キロ100万ドンほどで販売されているそうです。


ソンさんの自宅にある〝製造設備〟

にんにくを熟成させるため、温度調整がとても大切です。ソンさんは、身近な家電調理器具などを組み合わせて使っています。いろいろなところから必要な設備や機械を購入し、自分で組み立てるのだそうです。

黒にんにくは体にとても良いので、安く量産できれば、みんなの役に立ってすばらしいことですね。ソンさんの挑戦は、応援したくなります。ソンさんのように、健康にいいすばらしい製品を作る人がもっと現れるようにと期待しています。