新車両を市民に公開、高架工事も進展 ハノイ市都市鉄道

ハノイ市都市鉄道のカットリン―ハドン間(CATLINH-HADON、メトロ2A号線)を走る予定の車両が、同市のベトナム展覧会センターで一般公開された。高架工事も進み、市民の鉄道完成への期待も高まっているようだ。(VNLハノイ)

同区間は、2011年10月に着工し、総事業費は3億1500万ドル超となっている。ハノイ市ドンダー区のカットリン―ハドン区の間の全長約13キロメートルを走り、12カ所の駅は全て高架となる。電車は4両編成で、当初は13本用意される。


毎日、早朝から行われている鉄道工事

プロジェクトは、すでに高架部分の梁の建設が約66%完成し、駅の柱もすべて建設が完了した。来年6月末には全線の工事が終了する予定という。

 

交通運輸省内の鉄道プロジェクト管理委員会によると、見本車両の展示は、内装やデザインなどを披露して市民に意見を聞き、フィードバックさせるのがねらい。管理委員会やゼネコン、電鉄会社などは会場でアンケートを行っており、車両や施設をより快適に、使いやすくする資料として活用するという。

見学に訪れた人に、新しい電車についての意見を聞いてみた。

ハノイ市内に住むグエン・ガク・ロンさん(37)は自宅が鉄道沿線にあるため、「渋滞の問題を解決するためにも、公共の交通機関を使いたい。電車が早く開通してほしい」と期待する。


都市鉄道の車両見本。中は広々として窓が広く明るい印象だ

ハノイ郊外から訪れたズァン・ティ・ヌーさん(70)は「電車のデザインがきれいだし、出入り口も広くて乗り降りに便利だと感じた。ルートの案内も分かりやすい。この電車が完成したらぜひ乗りに来たい」と話していた。

展示会場では、車両見本が置かれているだけではなく、この鉄道プロジェクトに関する説明なども詳しく展示されており、分かりやすい説明が添えられている。工事を担当するゼネコンの中国人エンジニアらもその場にいて、質問にも熱心に答えてくれた。

 

工事は予定よりやや遅れており、工事区間の近隣住民には、不便な思いをしている人もいる。だが、プロジェクトが完成すれば、ハノイ市内の渋滞は大幅に解消され、市民の生活が便利になる。

高架鉄道の建設プロジェクトの進展と、このような展示会の開催で、市民の間でもこの便利な公共交通機関に対する期待が高まっているようだ。


都市鉄道の完成でハノイ“名物”ともいえる渋滞の緩和が期待される