ダラットの名物の焼き春巻き Nem nướng Đà Lạt ネム・ヌオン・ダラット

ベトナム中部高原、ダラットの名物料理に「焼き春巻き(Nem nướng Đà Lạt=ネム・ヌオン・ダラット)」がある。竹串に豚のひき肉を巻きつけて焼いた料理で、古くはフエで上流階級の人たちの食べ物だった。それをダラットに伝え、人気料理としたのがフンおばあさんの春巻き店だ。(VNL)

フンさんは、若いころにフエ料理を教わり、結婚後、ご主人と移住したダラットで料理人として有名になった。1996年に「Nem Bà Hùng(ネム・バー・フン=フンおばあさんの春巻き店)」という、自分の名前をつけた店を開いた。今でも、ダラットの人々に愛されている。

お店はファン・ディン・フン通り254番地にあり、今はフンおばあさんの息子さんがオーナーだ。

 

この店の焼き春巻き作りには、独自の工夫がある。豚肉は新鮮なものを選び、にんにく、砂糖、ヌックマムなどの調味料を混ぜておいて肉を挽くのだ。このひき肉を長細く、竹串に巻きつける。これをあぶって食べるのだ。

 

焼き春巻きは、ベトナムの漬物とレタス、生野菜とライスペーパーといっしょに、特別なつけダレをつけて食べる。つけダレの作り方も独特で、豚の骨をよく煮込んで出汁をとり、これに調味料、ヌックマム、ゴマなどを合せている。

 

フンおばあさんの店から広まった焼き春巻きは、今ではダラットの名物料理として広まり、町のあちこちに焼き春巻きのお店がたくさんある。ダラットに行くチャンスがあれば、ぜひ一度食べてみることをおすすめしたい。ダラットは、涼しい気候、甘いイチゴや新鮮な野菜など色々な名産品があり、観光客をひきつける魅力がたっぷりあるが、焼き春巻きを食べればさらにダラットを楽しめることだろう。

 


焼き春巻き㊤とダラットの新鮮な野菜