オバマ大統領来店で知名度アップ ブンチャー店「フォンリエン」

5月の訪越時にアメリカのオバマ大統領が夕食をとったハノイのブンチャー専門店、「ブンチャー・フォンリエン(Bún chả Hương Liên)」。古くからの人気店で地元の人には知られていましたが、大統領の来店後に訪れて、改めて〝オバマ効果〟を感じました。(VNLハノイ)

約20年前に開店した同店は4階建てのブンチャーの専門店。ハノイ旧市街、ホアンキエム区のレ・バン・フー(Le Van Huu)通り24番地にあります。この辺りにはレストランやおいしい店がたくさん集まっていて、毎日、朝から夜までにぎやかです。同店も朝8時から夜9時までお店を開けています。

ところで、ブンチャーとは、どんな料理でしょうか。

ブンチャーは、北部の名物料理で、ビーフンを野菜やサラダ、揚げ春巻きや炭火で焼いた肉と一緒に食べる料理です。ベトナム訪問中、オバマ大統領がフォンリエンで食べた夕食メニューとして世界中に伝えられ、とても有名なベトナム料理のひとつになりました。


フォンリエンのブンチャー

私も含め、ハノイの人々はみんなブンチャーが大好きです。おいしい料理で、だれの口にも合い、食べやすいので、味にうるさい人も、外国から来た観光客も、食べればきっと好きになるでしょう。

ハノイにはブンチャーの店がたくさんあります。そのなかでも「ブンチャー・フォンリエン」はいつも、おいしい店のリストの上位にありました。昔から有名なので大統領が来る前から知っていた人も多く、地元の人だけではなくハノイ駐在の外国人もよく訪れる店です。

それが、オバマ大統領が訪れた後は、ベトナム国内や海外からの観光客が急増したそうです。

また、ランチの場所を探すときなどに、「ブンチャー・フォンリエンに行く」と言うのではなく、みんなこの店のことを「ブンチャー・オバマ」と呼ぶようになりました。インターネット上でも「Bun cha Obama」と検索すると、たくさん情報が出てきます。

ブンチャーはシンプルな料理ですが、おいしいブンチャーを作るためには、経験や秘密の隠し味が必要です。特につけ汁の調合は重要で、ブンチャーのおいしさは、つけ汁で9割が決まってしまいます。

豚肉は、焼く前に玉ねぎやニンジン、塩、胡椒、ナンプラーなどを混ぜた調味液に漬けて、15分くらい置きます。肉を焼くのは炭火でないと、本当のブンチャーとは言えません。焼いてから熱いうちに、さらにつけ汁に入れます。

 

つけ汁は、ヌックマム(魚醤)を水で薄めたものに、砂糖、酢、レモン、ニンニク、唐辛子などを入れて混ぜます。

ブンチャーと一緒に食べる揚げ春巻きは、通常の豚肉のものに加えてカニやエビを具材に使う場合もあります。

フォンリエンでは、ビーフン、焼き肉のセット1人前で4万ドン、5万ドン、6万ドンなどのメニューがあり、それぞれ分量が違います。追加で選べる揚げ春巻きはカニかエビを選ぶことができ、1本7000ドンです。

焼いた肉も、春巻きもフォンリエンのものはとてもおいしいのでおすすめです。みなさんも、ここでブンチャーを食べたら、オバマ大統領がわざわざ街に出て夕食を食べた理由がきっと分かりますよ。忙しくて来店できなくても、電話注文で宅配サービスもしてくれます。

ブンチャー・フォンリエンでは、オバマ大統領が来店してから、店の雰囲気が以前と少し違ってきたそうです。まず、大統領の夕食風景の大きな写真が1階から3階にまで飾られました。お客さんも地元の人だけでなく、地方から来た人や海外からの観光客がぐんと増えました。

 

また、ブンチャーを食べながら記念写真を撮るお客さんが増え、どのお客さんもオバマ大統領の話で盛り上がっているそうです。また、注目されるようになったので、お店は今まで以上に混んでいて、最近はよく「売り切れ」という看板をお店の前にかけています。

 

みなさん、ハノイに来たときに、ぜひブンチャーを試してください。フォンリエンのお店のほかにも、ハノイにはたくさんのブンチャー店がありますので、いろいろと食べ比べてみて、ブンチャーのおいしさを広めてくださいね。