ハノイの名物料理といえば、米粉の麺であるフォー、生春巻きや揚げ春巻き、焼肉を乗せたビーフンのブンチャーなどがありますが、ホーチミンの名物といえば「タム飯(Cơm tấm=コム・タム)」です。ベトナムの昔話の主人公に由来する庶民の味です。 (VNLホーチミン)

料理の名前は、優しく善良な人が最後に悪に勝つというベトナムの昔話「タム・カム」の主人公に由来します。心の優しい良い娘である主人公のタムは、継母と義理の姉妹にさんざん意地悪をされますが、最後には意地の悪い継母たちは亡くなり、タムが王妃になるという物語です。この昔話にちなんで、ベトナムでは、良い物、良い人のことを「タム」と呼びます。

タム飯という料理は、砕けたくず米の上に、さまざまなおかずを乗せたものです。くず米はふつうのコメよりも値段が安いので、継母にいじめられる昔話のタムの質素な食事をイメージさせるご飯、ということなのです。

タム飯を食べられるレストランは、ホーチミン市内にたくさんあります。メニューで、コム・タムと探してみてください。

なかでも「CALI(カリ)」という店は、ホーチミン市内のあちこちに店があり、値段も安くておいしいので人気です。

ポークリブを乗せたタム飯は約8万ドン(400円ぐらい)です。この店では、生春巻きや焼き肉乗せビーフン(ブンチャー)や鍋などの料理もメニューにありますが、一番の名物はタム飯です。

CALIのお店は、ホーチミン市内の近代的なスーパーなどに併設されていることが多く、午前6時半から午後11時まで営業しているので、観光客にも人気です。ホーチミン市中心部では、1区のレータントン通り236番地、ハイバーチュン通り222番地などにあります。

みなさんもホーチミンを訪れたら、ぜひ、コム・タムを食べてみてくださいね。