騒がずゆったり、静けさ満喫 ハノイの歩行者天国

ハノイでは街の一番の中心地でにぎやかなホアンキエム区で、9月から夜中の飲食店営業や週末3日間の湖周辺の歩行者天国などが始まりました。ハノイの観光がさらに魅力的になると注目されています。週末に、さっそく出かけてみました。(VNLハノイ)

ホアンキエム区では、週末(金曜日から日曜日)の午前零時から午前2時までの飲食店などの営業が解禁されました。また、ホアンキエム湖の周辺で、同じく週末の歩行者天国が始まりました。

いずれも9月に始まったばかりですが、観光客や地元ハノイの人々にとても好評です。バイクや車が走っていて騒がしいいつもの街とまったく違って、静かでゆったりとした雰囲気で過ごせるので、たくさんの人が訪れて楽しみました。

9月2日はベトナムの建国記念日でした。そこで、歩行者天国となった湖のそばには、国旗をあしらったお祝いの花も飾られていました。

観光客は、いつもなら道路を走る車やバイクに気を付けて歩かなくてはいけませんが、歩行者天国が始まるとそんな心配は必要ありません。車を気にせず道路の真ん中をゆっくり散歩して景色を楽しんだり、いつもは撮影の出来ない場所で写真を撮ったりもできます。

アオザイを着てきて、道路の真ん中で記念撮影をする人の姿も見られました。

子どもたちが、広い通りの真ん中で走りまわっても安全なので、親たちも安心していられます。

歩行者天国の一角では、ベトナムの伝統の遊びを体験する場所も設けられました。昔なつかしい遊びは、現代社会ではだんだん触れる機会が少なくなっていますが、たくさんの子どもたちが参加していました。大人も、昔の子どものころの記憶が思い出されて、懐かしく感じました。また、外国人の観光客もとても興味をもってゲームを見て、「昔のハノイの様子が伝わる」と評判がよかったです。

歩行者天国になったホアンキエム湖周辺では、無料Wi-Fiも使用できるようになりました。自由にインターネットにアクセスできるので、市民にとっても観光客にとっても、便利になりました。

すてきだったのは、さまざまな芸術のパフォーマンスです。多くのアマチュアの芸人やミュージシャンがあちこちで演奏や公演を行い、たくさんの人たちから声援をもらっていました。ゆっくり散策しながら色々なエンタテインメントに触れるのは、とても味わい深いひとときで、とても素敵な街角の利用方法でした。

深夜に近づくと、歩行者天国はさらに静けさに包まれました。

家族づれでゆっくりと涼んでいたり、カップルたちがロマンチックな景色の中で話しをしたりして楽しんでいました。このような雰囲気は本当に魅力的で、普段ではなかなか感じられない体験でした。公安当局やセキュリティーの人たちが治安を守っているので、夜遅くなっても安心して歩けました。

午前零時以降も飲食店などの営業が許可された旧市街へ向かうと、こちらはにぎやかな風景が見られました。

旧市街にあるタ・ヒエン通りは多くの外国観光客が集まるところです。生ビールが飲める屋台や店が多く並んでいます。外国人の観光客に交じって、夜を楽しみたい地元の若者たちも多く来ていました。


午前零時すぎのタ・ヒエン通り

わたしはハノイで生まれて、30年以上ここに住んでいますが、歩行者だけになったハノイの中心部にとても感動しました。自動車やバイクが走っていない静けさは、今まで旧正月くらいにしか味わうことができませんでした。これからは毎週末、この雰囲気を楽しめるので喜んでいます。

歩行者天国になって大勢の人がやってきましたが、誰も騒がないで、ゆったりのんびり散歩しています。皆さんも歩行者だけのハノイの旧市街とホアンキエム湖で週末のひとときを過ごしてみてください。きっと、もっとハノイが好きになることでしょう。