輝く五つの星 鳥取県、「かに」にかける想い

かにのシーズン到来に合わせて、鳥取県改め蟹取県(かにとりけん)で行われている「蟹取県ウェルカニキャンペーン」https://www.kanitoriken.jp/ キャンペーンの内容そのものに加えて、インパクトのあるデザイン、県内の観光地を手堅くまとめた内容で、パンフレットも人気を集めている。その一文をご紹介します。

写真㊤=トップブランド「特選とっとり松葉がに 五輝星」(下)、通常の「松葉がに」と比べるとその立派さが分かる

《今年のウェルカニキャンペーンにはオリジナルの特撮風キャラクター、カニ取団「五輝星」とカニ取団の団長「カニダ―」が登場。特撮番組の名ナレーションを思い浮かべながら、読みました。》

カニ取団、大いに蟹取県にはまる!
ウェルカニキャンペーン目的で鳥取県もとい蟹取県に集まった人間たちを自分たちのとりこにしようと、勇んでやってきたカニ取団一行。しかし、思いもよらぬ蟹取県の魅力にカニ爪を折るならぬ出鼻を折られ、逆に身も心もすっかりほぐされてしまったのだった!
 松葉がにを心から愛する蟹取県民の情熱と、体の芯まで癒す豊富な温泉、意外と多い観光スポット、山から海まで遊び尽くせる広大な自然、家族連れや友人同士、外国人観光客、それに怪人(カニ取団?)までも笑顔で歓迎する温かいもてなしに、カニ取団はまるでカニカゴに入るように引き込まれてしまった。

《自然と観光地の魅力、そして人々の温かさ、鳥取の魅力を端的に表しています》

鳥取県の「かに」に関する5つの「日本一」。県がまとめた「水揚量」、「消費量」などの「日本一」の中で、最後に挙げられた「かににかける想い日本一」。それを形にしたものの一つが松葉がに(ズワイガニの雄)のトップブランド「特選とっとり松葉がに 五輝星(いつきぼし)」だ。

ブランドである松葉がにの中でも、特選とされた五輝星には、認定するための文字通り5つの基準がある。
① 大きさ 甲幅(甲羅の幅)が13.5センチ以上
② 重さ  1.2キロ以上 ※市場販売時点の生の重量
③ 形状  脚がすべてそろっている
④ 色合い 色味が鮮やか
⑤ 身入り 身が詰まっている


ウェルカニキャンペーンに登場するカニ取団「五輝星」

平成27年、鳥取県では全国初の取組として、県内卸売市場の販売担当から10人の「目利き人」を選定、各市場で目利き人が基準に合致するトップブランド“五輝星”を厳選し競りにかけた。11月7日の賀露地方卸売市場の初競りで、この五輝星に松葉がにの初競り価格としては、過去最高額となる1枚70万円の高値がつき、五輝星は一躍全国で話題となった。70万円の五輝星は、地元のかにを展示する水族館「とっとり賀露かにっこ館」(鳥取市)に寄贈され、一般公開された。※過去の最高額は1枚20万円だった。

五輝星の希少性は群を抜いている。出現率は当初1.5パーセントと想定されていた。しかし、初年度のシーズン(平成27年11月6日~平成28年3月20日)における五輝星の水揚げは174枚(水揚げ金額484万7000円)で、実際の出現率は0.04パーセントだった。(平均単価は2万7857円)。五輝星の効果もあり、ズワイガニ漁全体の水揚げ金額は21億9300万円(対前年比113パーセント)、平均単価は2371円(対前年比113パーセント)で、統計のある1964年以降では2番目だった。

今年も11月上旬にズワイガニ漁が解禁になる。トップブランドの五輝星を有する鳥取県には、新鮮なかにを味わおうと大勢の観光客が訪れ、その格別な美味しさを満喫する。同県のかには県内各地で味わえる。かにの美味しさをきっかけに、旅人たちは身近に存在する温泉や自然、地元の人々の温かいもてなしに触れ、新たな鳥取県の魅力を発見するに違いない。


写真はいずれもベニズワイガニ、9月から味わえる