砂丘の畑に広がる美しいらっきょうの花 鳥取市福部町

らっきょうの花の美しさを、鳥取県関西本部の大江誠二さんから教わった。一面に広がる紫の花畑は、鳥取の秋を彩る景色の一つ。今年は珍しい白い花も見られたという。

鳥取県はらっきょうの産地として知られる。主な産地は鳥取市福部町、県中部の北栄町などだ。

鳥取県の食の魅力を満載した冊子「食のみやこ 鳥取県」などによると、大玉で細長い形状の「らくだ系」が中心の品種だが、北栄町では小玉で丸い「玉系」らっきょうも栽培されている。

砂丘畑のきめ細かい砂地で栽培される「砂丘らっきょう」は、色の白さと引き締まったシャキシャキとした歯ごたえが特長。夏は暑く、冬は寒くなる砂丘の気候はらっきょうのおいしさには欠かせない。

その栽培の歴史は江戸時代にまでさかのぼる。現在では、全国から注文が寄せられるトップブランドだ。

栽培での農家の方々のご苦労についても大江さんに教えていただいた。らっきょうは真夏の7月下旬から8月末に植え付けが行われる。農家の方々が一玉一玉、丁寧に植え付けてゆく、収穫を願う人々がいるからこそ、農作物はおいしくなるのだろう。

大江さんは鳥取市内から県東部の岩美町に向かう途中、らっきょう畑に立ち寄った。「妻と食事をしようと、車で向かっていましたが、『この時期(11月上旬)の、らっきょう畑はきれいだろう』と思い、自動車道を降りて畑に行きました。鳥取砂丘の近くです。白い花は珍しいと聞いていたのですが、立ち寄った畑では紫に交じって白い花がたくさん咲いていました」。

その時、撮影された美しい風景が一連の写真。白い花が咲いていた畑は一面だけで、他の畑では咲いていなかったという。

厳しい冬を越え、5月下旬から6月下旬に収穫の時期を迎える。