中秋節に向け月餅商戦が過熱 ホテルなどの高級品が人気

約1カ月後の旧暦8月15日(今年は新暦10月4日)、ベトナムは中秋節(月餅祭)を迎える。月餅(bánh Trung Thu)という餡入りの菓子を家族と一緒に食べるならわしで、有名製菓店やホテルなどでは、早くも月餅商戦が過熱している。(VNLハノイ)

月餅は自分で家族用に買うほか、贈答に使われることも多い。会社から従業員に月餅が配られたりするほか、企業が取り引き先などに贈ることも多い。このため、製菓会社のほか、有名ホテル、レストランなどが、月餅の販売を始める。都市部では、あちこちに特設の月餅売り場が登場する。

ホテルなどが提供する高級月餅の人気が高まっているのは、餡や作り方などのレシピに工夫があることや、パッケージのデザインなどが多様なことだ。もちろん味もおいしいため、贈答用に買い求める人が増えているという。
ホーチミン市の5つ星ホテル、イースティン・グランドホテル・サイゴンは、自社の特徴的な月餅=写真=を発表したばかりだ。

同ホテルの月餅は、繊細で豪華なデザインが特徴。家族や親戚などに、目先の変わった高級感のある月餅を贈りたいという人に支持されているようだ。極上の月餅は、東南アジアの伝統的な味と香りを残し、餡は栗、ハスの実とパイナップルの葉、ミックス味、あずきの4種類の風味を用意した。値段は、贈答用のセットが1箱49万9千ドン(約2500円)から225万ドン(約1万1500円)という。

ハノイ中心部、バーディン地区にあるハノイホテルでも、さまざまな月餅を販売している。同ホテルも昔から、月餅がおいしいことで有名なホテルだ。

中身が工夫された餡のほか、月餅やパッケージのデザインも好評だ。伝統のハスの花のデザインの箱のほか、今年の干支の鶏をあしらったものなどもあり、価格は、66万8000ドン(約3340円)から、179万8000ドン(約9000円)とバリエーションも豊富だ。
ハノイホテルでは、ホテル内だけではなく、屋外に特設店舗を併設し、月餅を販売している。