グエン・タン・ズン首相の国連総会演説 「人類には戦争と貧困のない世界が必要」《第3回》

 

グエン・タン・ズン首相が国連総会一般討論で行った「人類には戦争と貧困のない世界が必要」の演説について、詳細をお伝えしています。

ご列席の皆様、
ベトナム人の一人として、わたしがこれまでお話した内容は、全て、汗と血が染み込んだ経験から申し上げました。数十年前、Viet Namという2つの言葉を聞くと、「戦争と分離」「血と涙」をよく連想されました。ベトナムと呼ばれる遠い国は、合計で1500万トン以上の爆弾を受けました。それは、第二次世界大戦で使用された爆弾の4倍です。ベトナム人は一人あたり、自分の体重の約10倍の爆撃を受けました。また、数百万リットルのダイオキシンもありました。健康を奪い、次の世代へ影響を与えるものです。

「大義で残酷な行動に勝ち、知恵・仁徳で凶暴な行動を退治する」の伝統的精神の下で、自らの犠牲と創造力の発揮、平和を愛する世界の人々の支援で、ベトナムの人民は、独立を守り、国を統一し、過去を閉じ、灰燼に帰した国を未来に向かって再び建設し、「ドイモイ」(政策)、地域への統合と国の開発に力を入れています。

ベトナムは、国連のミレニアム開発目標を、自国の開発にその内容を取り入れて、経済成長と社会進歩、公平をしっかりと結合します。国連食糧農業機関(FAO)でも貧困削減の功績が評価されて表彰されています。人が開発の中心であり目標・方針として、ベトナムは、国民一人ひとりへの医療、教育、情報などの提供に力を入れています。特に少数民族や困難な地方にいる人民たちについてです。

ベトナムは、他のメンバーと一緒に戦争の際には分断されたASEAN共同体構想に向けて努力します。この構想は、平和、協力、繁栄に向けたこの地域の渇望、そして多様性の中の統一、国連開発目標の実施を表しています。

ご列席の皆様、
残酷で激しい戦争と深刻な貧困を経験したベトナムの人々は平和・繁栄を最も期待しています。我々は、わたしたちの地球を守るために平和の維持・貧困状態の削減、地球環境の保護などの活動に積極的に参加しています。また国連の平和維持活動に参加することも準備します。私たちは財源も力(人的な貢献)も小さいですが、この事は、ベトナムの独立を支持し、国家の統一と貧困からの脱出に関して援助して下さった国際社会における友人への恩返しです。ベトナムは世界各国にとっていつまでも信頼できるパートナーであり、国際社会の責任あるメンバーです。

食糧について例示したいと思います。「食糧の足りない国」から、ベトナムは「世界トップの米の輸出国」になっています。我々は自分たちの食料の安定確保をだけでなく、世界における食糧の安全にも積極的に貢献しています。食糧輸出だけでなく、米を生産するキューバ、モザンビーク、アンゴラ、マリ、マダガスカル、ミャンマー(Cuba,Mozambique,Angola,Mali,Madagascar,Myanmar)などの国々を支援しています。我々は先進国、国際機関が、このようなプログラムを支援することを期待しています。こうした協力プログラムはとても意義深く、効果のある方法だと思います。

議長殿、
ご列席の皆様
戦争と貧困のない世界に向ける2015年以降の開発目標(ポスト2015年開発目標)のための議論が達成される事を信じ、一般討論演説を終了させて頂きたいと思います。全ては平和・協力・繁栄のためです。全ては、緑にあふれたわれわれの地球を存続させるためです。緑は「平和を表す色」であり、緑は「安定した発展を表す色」です。

ご清聴ありがとうございました。