ベトナム最大の製油所が起工 在大阪ベトナム総領事館 領事へのインタビュー②

 

Vietnam News Liner(ベトナムニュースライナー)のウェブサイトを運営するNews
Liner(ニュース ライナー)が毎週、お届けしておりますラジオ大阪(OBC 1314kHz)の情報番組「朝かつ」(日曜午前7時20分スタート)。番組に登場して頂いたゲストの皆様のお話を掲載します。

今回は引き続き、在大阪ベトナム社会主義共和国総領事館のカオ・アイン・ジュン領事からタインホア省のギソン工業団地で起工式が行われた「ギソン製油所」についてお話を伺いました。

 

――今朝のお客様は、在大阪ベトナム総領事館のカオ・アイン・ジュン領事です。領事よろしくお願い致します。
投資総額90億ドル(約8800億円)というベトナムでは最大の外国資本の投資である石油精製施設「ギソン製油所」の起工式のお話をお伺いしましたが、今回はこの起工式に合わせて、建設場所であるタインホア省で開催された投資セミナーについて、実際にこのセミナーに出席されたカオ領事にお話を聞きます。約1000人の方々がセミナーに出席されたと伺いましたが。

そうですね、大きな規模ですね。

――副首相も出席なさったとお聞きしました。

そうです、副首相が出席しました。また、計画投資省の副大臣も出席しました。

――そもそも、このセミナーはどの様な経緯からですか?

石油精製所の起工式を行ったことで、今後、国内、外国の投資家のみなさんからの注目を集めると思います。そのきっかけで「今後、タインホア省に進出して頂きたい」ということをより多くの方にお伝えするため、このセミナーを開きました。

――このセミナーには、例えば当然のことながら、今回の製油所は出光興産、三井化学といった日本の企業が参加して、もちろんクウェートの国際石油であったり、貴国のペトロベトナムも参加されており、日本とベトナム、クウェートの3つの国の企業が運営するということで、当然日本からもたくさん投資家(企業)が参加していたと思うんですが、他の国からも参加されてたんですか。

参加していました。例えばドイツです。ドイツの州から参加していました。タインホア省とは「姉妹都市」の関係だと思います。知事を団長として約30人の訪問団が来ていました。彼らはいろいろ視察して、今後のドイツの技術をどの様に生かして、タインホア省と経済交流できるかということを視察したのだと思います。

――ベトナムとクウェートと日本以外からも参加者がいたという事は、どの様に考えれば良いのでしょう。

ニソン石油精製所でも、それだけじゃなくてニソンの経済区にいくつかのプロジェクトありますし、いろいろな産業の開発ができるんです。ベトナム、日本とクウェートの企業が、この石油精製所の投資家なんですけども、他の国または日本の投資家の皆さんも、他の産業について投資できると思いますね。

――お話を戻すのですがドイツの州以外に(ベトナムにとっての)外国としてはどんな国があったのですか。

例えば、韓国、ラオスでも関心を持って入っているんですよ。シンガポールなどのASEAN諸国も関心を示しています。

――例えば、韓国だったら、どういった企業の方が来られてるんですか。

今、タインホア省ではすでに工場を建設して、何年か前に生産開始しました。それは繊維工場です。つまり衣類ですね、シャツとかズボンとか生産なんですよ。韓国の社長の報告によると、タインホア省では3200人の労働者が作業しているそうです。

――そうか、先週もお話を聞きましたが、石油精製施設ができるということは、単にガソリンが精製できるだけでなく、いろんなものができるということですね。化学産業というか、それが全部参加できるわけですから、当然のことながら今おっしゃったような繊維のお仕事をなさっている韓国の企業なんかも、糸とか作れるわけですよね。

そうですね。ただその時は外国からの原材料の輸入が減ってきますね。それで投資家にとっては現地調達率が高くなりますからね、コストの節約もできますよ。

――それって領事がこの前おっしゃっていた、付帯産業の創出ですね。この石油精製施設ができるということが、新たな産業をまた生み出していくんだというお話を、意義としてしていただいたんですが、まさにそのことを考えると、せっかくお国とクウェートと日本がやっているわけですから、日本もがんばって行かないといかんという気がします。

実際この石油精製所ですね、日本の投資家ですからね。出光興産と三井化学ですね。それでいろいろガソリンだけじゃなくて、たくさんの製品ができるので、ぜひ日本の企業さん、特に中小企業の皆さん、裾野産業に携わっている企業の皆さんですね、ぜひこの地域の化学産業の開発のためには進出してほしいです。

――そうですよね、せっかく日本が精製施設を作るわけですから、いや、日本とクウェート、ベトナムの方たちが協力して作るわけですから、そこで「新しい産業の芽」ができる、すなわち、新しい産業が育成される可能性がでてきたっていうことになれば、日本が参加しないというのはもったいないですね。進出をうかがっているとすれば、今おっしゃったように韓国とかドイツとかシンガポールもフランスも含めてライバルが、何か対策を打つべきかもしれません。そんな時に例えば日本の企業で、具体的に進出などの意思表明されてるところとか、投資の許可を頂いているところとか無いんですか。

今回ですね、セミナーの結果ではタインホア省政府から15名くらいの企業さんに、タインホア省への投資の許可を与えました。その中に日本の企業さんもあります。タインホア省での火力発電所の建設なんです。

――火力発電所を建設するんですか。ギソン製油所で精製されるガソリンでベトナム全体の40%をまかなえるとおっしゃってました。当然のことながらその作られたものを活用して、電力を供給する必要がありますね。

そうですね、必要ですね。

――でも火力発電所が建設される一方で、さっきの繊維にこだわってしまって申し訳ないんですが、衣服を作るっていうことも産業としては必要ですね。石油が作られるということはものすごく幅広い産業の発展が期待出来るという事だと思います。付帯産業といっても火力発電所を建設するんですか、すごいですね。
だったら本当に今おっしゃったように、裾野産業、カオ領事が日本に期待することのひとつとして裾野産業育成のために日本の中小企業の方たちにぜひともベトナムに進出して頂きたい、ということをいつもおっしゃっているんですが、ほんとに新しい産業が育成されることに対して、日本企業も頑張って進出を検討しないといけないですね。

そうですね、ぜひよろしくお願いします。

――ありがとうございました、引き続きお話をお伺いします。ありがとうございました。