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Liner(ニュース ライナー)が毎週、お届けしておりますラジオ大阪(OBC 1314kHz)の情報番組「朝かつ」(日曜午前7時20分スタート)。番組に登場して頂いたゲストの皆様のお話を掲載します。
今回も引き続き、在大阪ベトナム社会主義共和国総領事館のカオ・アイン・ジュン領事からタインホア省のギソン工業団地で起工式が行われた「ギソン製油所」についてお話を伺いました。
――今朝のお客様は、在大阪ベトナム総領事館のカオ・アイン・ジュン領事です。領事よろしくお願い致します。
2週に渡って石油精製施設のお話をお伺いしたのですが、今回は少し視点を変えてご質問します。今回のガソリンであったり、あるいは付帯的に生産されるものを、ベトナム国内だけで消費なさるっていう事ではないですよね。
そうですね、そう思いますね。
――何故この様な質問をさせて頂いたかと申しますと、2015年を目標として設立されることが定められている「ASEAN共同体構想」と今回の石油精製施設を関連づけて考えたいのです。ASEAN共同体構想について教えて頂けませんでしょうか。
皆さんご存知の通り、外国の投資・誘致目的としてASEANの首脳会議は共同体の設立ということに合意しました。もともとの目標ですね、2020年までに、という事でしたが、早期の設立を望む声があり、首脳会議において2015年までに完成したいということで合意しました。
――本当は2020年だったんですか。
元々の案、最初の案ですね。ASEAN共同体というものは、3つの共同体があります。まず、政治・安全保障共同体、二つ目は重要な共同体であるがASEAN経済共同体。三つ目は社会文化共同体ですね。
――ASEAN共同体構想には政治と安全保障に関するものであったり、経済であったり、社会と文化に関するものであったりいろんな構想があるということですね。
ありますね、いろんな場面がありますからね。
――でもASEAN各国っていうと、今ベトナムもそうですけど、経済的に発展しているじゃないですか。
そうですね、実際ご存知の通り、90年代半ば以前ですね、ASEANは世界の成長センターと言われている、それで世界銀行も1993年にはASEANは「発展の奇跡」(東アジアの奇跡)という評価をしました。
――今回のギソン製油所で出来たものでは、ガソリンなどについては国内の40%をまかなうということだったんですけど、それ以上に輸出なさるということもあり得るという事でしょうか。
(輸出は)できますね。ギソン製油所の規模は大きいですからね。ベトナムではこの製油所だけではなくて、現在、調査中なんですけどもビンディン省のニョンホイ製油所があります。この製油所の規模はギソン製油所のおよそ3倍になります。
これはすべてベトナム国内だけの消費ではなくて、他の国への輸出もあります。
――カオ領事すみません、もう一度製油所のお名前をお願いします。ニョンホイですか。
ニョンホイ、ビンディン省ですね。ベトナムでは南の方です。ASEAN共同体が完成する時、ベトナムは経済回廊で他のASEAN諸国を結んでいます。「東西経済回廊」「南部経済回廊」の2本があります。それはタイ・カンボジア・ミャンマーにつながっているんですね。この経済回廊が完成した時は物流がすごく便利になると思います。
――経済回廊とは道路を建設されるという事ですね。
そうです。それでギソン製油所や先ほど申しましたニョンホイ石油精製所の製品を、現地のベトナムの消費だけじゃなくて、陸路ですべてのASEAN諸国にも輸出できます。
――そうか、これは、カオ領事が最初にこの番組でお話になった事ですが、ベトナムの地理的な優位点・アドバンテージとして、海に面している。ベトナムは「東アジアの玄関口」であるとおっしゃっていました。
そうですね、「(ASEAN)共同体の玄関口」だと思います。
――いわゆる原油を積んだ外国の大型船が着くことができるのは、海に面し優れた港湾施設があるベトナムであり、精製されたガソリンを、今度はASEANの諸国に輸出することも、「玄関口」という地理的な優位点から可能であるということですね。
そうですね、広く輸出できますね。
――その際に陸路が使われるという事ですね。こうした陸路(道路)は計画として出来上がってるんですか。
計画があります。共同体の完成時の計画です。
――そうなんですか、ということは2015年にできるということですか。
そういう計画です。ASEAN諸国の計画です。
――ASEAN諸国の計画なんですか。
そうです、つまり経済共同体の計画です。
――単にタインホア省だけではなくて、あるいは今おっしゃったビンディン省だけの計画ではないという事ですね。
そうです、ベトナム全土でありASEAN諸国に関係する計画ですね。さらに言えば、ASEAN諸国だけじゃなくて、地域全体、例えば日本も中国も韓国も含めて、地域の繁栄につながるとも思います。
――そうですよね、確かにその辺は、日本はちょっと離れてますけど、中国・韓国っていうのは、文字通りお隣の国ですもんね、陸で繋がっているわけですから。領事、今おっしゃった物の流れとして、ベトナムからラオスなどのASEAN諸国に行くベクトルがあれば、逆向きのベクトル。例えばミャンマーやラオスで作られたものがベトナムに入ってくるという事も考えられるのではありませんか。
もちろんです、つまりASEAN諸国のモノ・人・お金の自由な移動です。
――それぞれ当然のことながら、今おっしゃったような経済であったり、政治や安全保障であったり、社会・文化という細かい共同体に分けてらっしゃるということは、文字通りそれぞれの国の独自性というかアイデンティティーはきちっとした形で担保されながら、各分野で共同していきましょうということなんですね。
この共同体が出来るとそれぞれの国の魅力が確保されながら、ASEAN全体としての新たな価値を生み出すことができると考えられますね。
そうですね、アイデアですね。実際に「ASEANはひとつになる」、それを外国、例えば日本・韓国・中国・アメリカに「私たちはひとつになりますよ」ということをアピールする、ことですね。日本語の場合は一体化ですか、一本化ですか、どの様に表現するのでしょうか。
――一体化ですね、なるほど、そういうことを内外にアピールすると同時に、確かにASEANの諸国ってお国同士がそんなにややこしい関係ないですもんね。
そうですね、でもその中に地理的にベトナムは「一番いい(国)」じゃないですか。
――そうですね、今申し上げたのは、友好関係が、ASEANの諸国の国っていうのは、それぞれの国がにらみ合ったり、いがみ合ったりすることが見られず、皆さん一体感がありますよね。
分かりました、貴重なお話をたくさんお伺いしました。ありがとうございました。お忙しいのに本当にありがとうございました。
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VNLオリジナル 2013年9月01日